SNSの投稿に、ムービーよりもあえてコマ撮り写真をおすすめする理由【ママカメラマンのスマホ写真術・10】
育児雑誌などで活躍中のママカメラマン、成田由香利さんによるスマホカメラの写真術。子どもを撮るときのアドバイスを教えていただきます!
コマ撮りをした写真は
四コマ漫画のようで 面白い
みなさんこんにちは。今年も終わりに近づき、なんだかせかせかした気持ちになりますが、 時々ひと休みしながら、家事も仕事も乗り切りましょう。
さて、今回のテーマは、元気いっぱいの子どもたちの様子を、コマ撮りのようにして撮影するポイント。並べたときに、漫画のようで面白いのです。ここでいうコマ撮りは、ムービーを作るためのものではなく、単純に、写真として楽しむためのもののことです。
年末、家族で過ごす時間が増える今、大掃除の傍ら、エネルギッシュに遊ぶ子どもたちの様子にため息が漏れることもあるかもしれませんが、その様子が実は写真にすると案外面白い、ということがありますので、チャンスがあれば、こっそり近づいて、自然なお子さんの様子を残してみてくださいね。
まず、コマ撮りをするときに大事なことは、カメラ位置をなるべく動かさないことです。 写っている世界が固定されることで、写真を並べたときに、自ずと視線が画面一点に集中し、その中の変化を楽しむことができます。
連写ではなく、状況が動いた! という瞬間にシャッターを押して
もうひとつ大事なことは、コマ撮りだからと言って、連写はしないこと。必ず自分の目で眺めて、面白い瞬間を少し待ちながら、状況が動いた、ここ! という瞬間瞬間にシャッターを押すようにしましょう。そうすることで印象的な写真になっていきます。
この撮り方をした写真は、インスタグラムなど、画面をスクロールして複数枚で写真を見せることができるSNSに向いているなあと、私自身は思っています。
二段ベットの上から兄にちょっかいを出す弟の様子が可愛くて、最初画面縦向きで撮っていたのですが、撮っているうちに動きが激しくなってきたので 途中から横向きに撮りました。二人のじゃれ合いの一部始終は時間にしてほんの数分なのですが、瞬間瞬間を写真にすると、表情の変化にも注目できて面白いですね。
こちらの写真は、自転車公園で撮影した写真なのですが、この写真を撮る時も、一点で待ち構えて、通り過ぎる時にコマ撮りをしています。
動きを写真に収めるのは、少し難しいですし、動画の方が声も動きも正確に残せるのですが、あえて写真で動きを残すと、見返した時に、その瞬間のことだけでなく、そのことにまつわる思い出や、声や音も脳裏に浮かんでくるのが不思議です。思い出をイメージとして残すことができるということなのでしょうか。
記録の仕方を選ぶことで、いろいろな形で残していけるといいですね。
今週の一枚
今週の一枚は、今回のテーマとは特に関連はないのですが、 2年前の冬休みに私のふるさと秋田で雪を楽しむ兄弟です。 地元の量販店で買ったあり合わせの防寒着を着てモコモコの二人は、 少し時代を遡ったような、そしてどこかご婦人のようで、なんだかおかしいですね。
真っ白な雪を掘ったり、丸めたり、坂にして滑り降りたり。 家の前でずっと遊んでいました。
昨年は、長男が帰省先でインフルエンザにかかってしまい、 お正月は、こもりきりだったので、今年はその分遊ぶんだと張り切っています。 みなさんも、年末年始体調に気をつけながら、うんと楽しみましょうね。
それでは、良いお年を。
なりたゆかり/カメラマン。1980年生まれ。秋田県出身。大学在学中に写真にめざめ、夜間の写真学校に通い学ぶ。その後六本木スタジオ勤務を経て、回里純子氏に師事、2008年に独立。小学3年と1年の息子二人の母。主に雑誌の撮影で幅広く活動中。
Instagram @naritayukari_p