子どもの脳は肌にある 「ナデナデ」が人間関係を強くする!
親が子どもをナデナデすればするほど、スキンシップが増えるほど、子どもの能力はどんどん高まる! 例えば、集中力がUPしたり、コミュニケーション能力が高まったり。その上、将来の恋愛もうまくいったり!? すべては親が子どもにいかに触れているかがカギ。そう、子どもの脳は、肌にあるのです!(kodomoe2016年10月号掲載)
イラスト/大江えみとゆうすずみズ 編集協力/仁田とき子
教えてくれたのは
山口 創先生
やまぐちはじめ/桜美林大学 リベラルアーツ学群教授。臨床発達心理士。スキンシップで深まる親子の絆をテーマに数多くの講演を行う。主な著書として『子どもの「脳」は肌にある』(光文社新書)など。近著に『人は皮膚から癒される』(草思社)がある。
1. 幼少期に「オキシトシン」を出すとストレスに強い大人になる!
「親子でスキンシップを行うと、脳内でオキシトシンが出やすくなります。これは絆ホルモンと言われ、ストレスを軽減して情緒を安定させるもの。双方の脳で分泌されるので、互いに絆が深まる相乗効果があります。幼少期にたっぷりオキシトシンを出して“分泌しやすい脳”にしておくと、大人になってもストレスにとにかく強い。他人に親近感を持ち、信頼する力もつくので、人間関係も豊かになります」
2. 親子のスキンシップの多さで将来の恋愛パターンが決まる!?
「親子のスキンシップが少ないと、実は大人になったときの恋愛に影響を及ぼします。他人と距離を取りたがる“回避型”、常に不安がつきまとう“アンビバレント型”になるケースが多い。これらは他人と親しくなるのを怖がったり、常に浮気の影に怯えたりと、恋愛をしにくい状況を作ります。つまり幼少期の体験で、大人になったときの恋愛のパターンが決まるということ。我が子の恋愛成就は親がカギです!」
3. パパのスキンシップは子どもの社会性を広げる!
「スキンタッチやマッサージは親子の交流にオススメ。でも“今から触るぞ!”と力むのはダメです。時間が取れないなら入浴時にタオルでなく手で洗ってあげるだけでもOK。日常のなかで自然に行うことが重要です。また、母親とのスキンシップが子どもの自己肯定感を伸ばすのに対し、父親とのそれは子どもの社会性を伸ばします。ママまかせにせず、パパも得意な野外での遊びなどを通してスキンシップをはかってください」
教えて!先生 kodomoeママQ&A
抱っこすると抱きグセがつくと言われました……
戸簾麻理子さん/2歳男の子ママ
A. 抱きグセなんてつきません
どんどん抱っこしてあげて
「泣いても簡単に抱かない」という戦後に入ってきた欧米の育児法の影響で、いまだに信じる人もいますが、これはまちがい。現在は乳児に触れる大切さが再認識されています。求められるたびに応えてあげて。
肌着ってどうすればいいの?
丸山亜紀さん/3歳男の子ママ
A. 柔らかく着心地いい下着を!
集中力がアップする効果も
硬い下着と柔らかい下着を子どもに着てもらい、唾液と尿を検査した結果、硬い下着を着ると免疫機能が落ちることが判明。着心地のいい肌着で計算能力がわずかに向上する傾向も出たほど!
スキンシップはいつから始めたらいい?
望月麻子さん/4歳&2歳女の子ママ
A. 早ければ早いほどよし。
生まれてすぐに始めて
父母ともに早期接触が大切。産後、新生児を母親の胸に抱くカンガルーケアもそのひとつ。しかし、幼い頃に触れあえなかったからと言って遅すぎることはありません。いつからでも始めてください。