
夏の夕飯は外でピザ食べておしまい! 余った時間は、まだ明るい外で遊ぶのがドイツ流【日登美のタベコト in Berlin・101】
ベルリン在住で6人の子どものお母さん。モデルとして活躍する傍ら「台所から子育て、暮らしを豊かに」をコンセプトに、オンライン講座とウェブサイトを主宰している日登美さんによる、「食」からはじまるエッセイです。
夏のドイツの食卓
夏時間のドイツは毎日夜10時頃まで明るくて、まるで、まだ夕方? と言いたくなる日々。なかなか子どもが寝ない! という困った点もありますが、お日様の光が冬には格段に短くなってしまうことを思うと、もう夏は寝る時間が遅くなったっていいから外で遊びたい! という気持ちもわからなくもない。ということで、親子ともどもやや寝不足気味の日々が続いてしまっています。
暮らしにはリズムが大事だし、早寝早起きが子どもの成長にとっても大事なことは百も承知だけど、「良いこと」ばかりに偏ると、これまたなぜか「良くなくなっちゃう」ということもあるのが育児のパラドックス。だから、何事もあまり真面目にやらなくていい。ちょっと手抜き、さぼりを入れていくくらいがちょうどいいんです。

今日は天気がいいから、そこのピザ屋でピザ買って外で食べようか! の図。夏の間中いたるところで見られるドイツ親子の風景です(笑)。ビバドイツ式頑張らない子育て!
同じようにこの時期の食事も、もう調理しない! くらいの勢いで、とことん手を抜いていくドイツ式がおすすめ。外でピザ食べておしまい! お弁当なんか加熱調理したものゼロですけど? なんて日がスタンダードな夏のドイツの食卓。
子どものお弁当は、かろうじて炊いたご飯でおむすびが入っていたらブラボー! という感じで、あとはフルーツ、ナッツ、野菜スティックだけ。いろんなおかずが入ったお弁当がいいのは、これまた百も承知。だけどやっぱりここでも「良いこと」にばかり気を取られずに、人生を楽しむことを忘れずに。

手抜き弁だけど、おむすび入ってるからこれでも豪華と羨ましがられる。桃は切って食べない。我が子は皮をむいて食べたことがない(笑)。やはりドイツ式。

日が長くなり、大きな子ども達も夕暮れ時にバーでビールを飲みながら語らう。夏の日差しを言い訳に、大人も子どもも楽しむのがドイツ流!
そのかわり果物は丸ごと、皮ごとが基本だから、できたら有機栽培のものを。安心して皮ごと丸ごと食べられるものを買っておけば、野菜でも、果物でも丸齧りでいいし、切りもしない(笑)。果物の皮を「むかない、切らない、皮ごと食べる」がドイツではスタンダードです。生ごみが少なくていい(笑)!
そして、ドイツ人の子どものおやつに多いのがナッツ類。これらはミネラル豊富で良質の脂肪も含まれるから、子どものスナックに最適。そんなわけで手抜きなのにヘルシーなのがドイツ弁当、ドイツおやつのいいところ。
料理の手を抜いても素材に手を抜かない。簡単でシンプルなものを食べる。そして余った時間は遊ぶ! これが夏のドイツの台所風景なのです。

木漏れ日の下、アイス屋が大繁盛で、みんな木陰でアイスを食べてるベルリンの夏。何にもしないでもなんか幸せ。

日登美/ひとみ
3男3女6児の母。10代よりファッションモデルとして雑誌、広告等で活躍。その後自身の子育てから学んだ、シュタイナー教育、マクロビオティック、ヨガなどを取り入れた自然な暮らしと子育てを提案した書籍、レシピ本など多数出版。現在はモデルとして活躍する傍ら、オーガニック、ナチュラル、ヘルシーをモットーに、食、暮らしと子育てのワークショップ、オンライン講座などを行う。
台所から子育て、暮らしを豊かに。「Mitte(ミッテ)」
instagram / @hitomihigashi_b
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