今や、大人になった子どもらが誰かと一緒に料理をしている。我が家の台所の世代交代【日登美のタベコト in Berlin・74】
ベルリン在住で6人の子どものお母さん。モデルとして活躍する傍ら「台所から子育て、暮らしを豊かに」をコンセプトに、オンライン講座とウェブサイトを主宰している日登美さんによる、「食」からはじまるエッセイです。
台所の世代交代
小さい頃から我が家では台所で子育てをしてきた、と言っても過言ではありません。だからといって、すんごいご馳走を作ってきたとか、そういうことではなくて、なんとなくみんなが集まってくる場所。なんとなくみんなが手を動かしている場所、が台所でした。
上の子どもたちが小さいときは、なんでも手作りして頑張っていたときもありますが、今では子どもも増えたし、年とともにだいぶん手を抜く加減がわかってきて、やっと自分らしいリズムができてきたように思います。
なんでも台所で作っていた時代に、なんでも一緒に子どもとやってきた時期があったのですが、気がつけばその子どもたちはすっかり大人になって、今ではその子たちが友達や彼女や彼氏となんとなく台所にやってきて、なんとなく料理をしている。
まるで台所で世代交代したような時が最近よくあります。そういうのを見ているとなんだかほのぼのしてしまいます。
何を食べるとか、何を作るとか、どう食べさせるとか、そういう食育に一生懸命になっていた時期もあったけど、もしかするとそれよりも大事なこと。それは、大きくなって子どもが親の手元を離れていくときに、今度は子ども自身が「なんとなく」のリズムを台所で紡ぎ始めること。台所の風景を自分で紡いでいってくれること。
そういう何か温かいものが伝わっていくことが食育だったんだなぁと、大きくなった子どもたちを眺めていて思うのです。
【「思春期倶楽部」のお知らせ】
思春期について茶話会形式のオンライン講座を開催します。
6月6日(木)、13日(木)、20日(木)、27日(木)全4回
詳細は日登美のインスタプロフィールの@mit_te_mitのリンクより御覧ください。〈申し込み締め切り:6月2日(日)〉
日登美/ひとみ
3男3女6児の母。10代よりファッションモデルとして雑誌、広告等で活躍。その後自身の子育てから学んだ、シュタイナー教育、マクロビオティック、ヨガなどを取り入れた自然な暮らしと子育てを提案した書籍、レシピ本など多数出版。現在はモデルとして活躍する傍ら、オーガニック、ナチュラル、ヘルシーをモットーに、食、暮らしと子育てのワークショップ、オンライン講座などを行う。
台所から子育て、暮らしを豊かに。「Mitte(ミッテ)」
instagram / @hitomihigashi_b
音声プラットホームvoicyで「日登美のイロイロ子育てラジオ」発信開始!