「もう一回読んで！」は、アンコール。ママパパの読み聞かせが素晴らしかった証拠です。聞かせ屋。けいたろうさんとだいすけお兄さんが対談。【だいすけお兄さんのパパシュギョー！・12】

「小学生は文章の多い本」じゃなくてもいい！

けいたろう　0、1、2歳向けのおすすめの一例ですが、『ぶう　ぶう　ぶう』『こちょこちょさん』は、読みながら実際にお口で「ぶう」としたり、こちょこちょしてみたり、触れ合いのきっかけになる絵本です。
『いろいろばあ』は、本当に短くてシンプルで、「もう一回！」って言われても苦にならない。「もう一回！」って、もう、アンコールですから。「あなたの選書とこの時間が素晴らしかった、素敵だったからもう一回！」って意味だと思ってもらえれば。

だいすけ　「もう一回」は「アンコール」、いいですね。

けいたろう　そうそう。読み聞かせする側への何よりの評価ですよね。
３、４、５歳向けになると、繰り返しの物語、『てぶくろ』とか『ねずみくんのチョッキ』とかがまず親しみやすいかなと思います。年長さんになってくると、昔話とか、さらにしっかりしたお話を楽しめるようになってくる。

けいたろう　小学生になると「文章の多い本を、自分で読めなきゃいけない」って思われがちなんですけど、一概にそうでもなくて。
やっぱり絵本って、読んでもらうのが最高に気持ちいい味わい方なんですよね。だから大きくなっても「読んで」って言ってもらえる間は、読んであげてほしい。親子の触れ合いを求めてるのかもしれないし、人に読んでもらうからこそ、絵もじっくり味わえるので。
早口言葉、ダジャレ、しりとりといった言葉遊びの絵本も、大きくなってからこそ楽しめるもの。『はやくちこぶた』とか『めくってごらん－ことばのかくれんぼ』とか、親子で読んで面白がってもいいかなあと思います。

大人自身がワクワクときめく本を選んで

だいすけ　今はネット書店でオススメもいっぱい出てきますけど、やっぱり本屋さんで自分が手に取って読んでみて、「わ、面白い！」とか、親自身がときめく本をまず選びたいですよね。自分がワクワクするこの感じ、絶対子どもに伝わるから。

けいたろう　おっしゃる通り！　だいすけさんはワクワクできる大人なので、素晴らしいんですよ。自分がワクワクしてるのか、つまんないのかっていうのは、やっぱり声や表情になって子どもに伝わると思うので。

だいすけ　親の立場になると、毎日の中でどうしても先々のことや効率の良さを考えたりするんですけど、でもそうじゃないところに大きな発見や意外な気づきがあったり。だから絵本も、まず飛び込んでみて、大人自身が感じることが大事なのかなって思います。

けいたろう　そう、無駄とか失敗とかの中に面白さがあるかもしれないし。図書館で司書さんのオススメの絵本とか片っ端から借りてみるのもいいですよね。自分だけで選ぶと、やっぱり偏るので。
で、音楽でもそうですけど、やっぱり好みはあるものなので。これは気に入らなかった、これは気に入った、とか、たくさん経験していく中で、絵本を通しての豊かな時間ができるんじゃないかなと思いますね。

だいすけ　本当にけいたろうさんは「聞かせ屋」っていうだけあって、人に伝えるのがすごく上手だから、こうして短い時間に何冊も絵本を紹介してもらう中で、「ああ、面白いな、読んでみよう」って思う。
やっぱりこういうのってすごく大切ですね。「好き」や「楽しい」という気持ちを、より広げてくれる。
僕自身もやっぱりコンサートで生の音楽、歌を大切にしてるんですけど、自分たちがワクワクや楽しさを歌に乗せて届けることで、「この歌はああだったね、こんなことしてたね」とか、家族の思い出を深めてもらいたいって思います。
今日初めてけいたろうさんに実際に本を読んでもらって、こういう体験って、「好き」を広げてくれるきっかけになるんじゃないのかなって思いました。

けいたろう　いやぁ、だいすけさん、聞き上手だし、もう本当に素敵にまとめてくれるし。
でも本当、「好き」っていうのはすごい大事だと思います。「好き」を貫いたからこそ、今僕はこういう立場にいるわけで。
だいすけさんも同じですよね。
いやぁ、もう改めてファンになります。今日は帰ってだいすけさんのＤＶＤ見よう（笑）！

プロフィール

インフォメーション

前回のゲスト・青山誠さんとの対談は、こちらから。
また、kodomoe２月号では、「パパママの絵本の読み聞かせ、最初の心得、教えてください」というテーマで、だいすけお兄さんとけいたろうさんの対談を掲載しています。

これまでの「だいすけお兄さんのパパシュギョー!」一覧を見る。

インタビュー／原 陽子　撮影／大森忠明　スタイリング／吉岡ちさと（だいすけさん）　ヘアメイク／安藤千浪（だいすけさん）