だいすけお兄さんが「おかあさんといっしょ」のプロデューサー・古屋光昭さんと対談。番組づくりの流儀は、「子ども向けだからこそ、完成度の高いものを見せるべき」【だいすけお兄さんのパパシュギョー!・3】
25分間の番組中、コーナーごとに子どもの反応は違う
――立場が変わると見えてくるものが違うというお話がありましたが、だいすけさんが番組を卒業後、「おかあさんといっしょ」を観ていて、何か新しい発見はありましたか?
だいすけ 甥っ子がまだ小さいのですが、歌とか、キャラクターと一緒に遊んでいるところに反応するみたいです。おしゃべりをし出すと、何に興味を持っているのか細かいところがわかってくるので、それは楽しみですね。
古屋 それも多分、だんだん変わっていくんだよね。最初は歌のコーナーに反応していたのが、最終的には人形劇の方が好きになっていったりとか。人形劇って、番組全体の中では一番年齢の高い子が好きになる傾向のあるコーナーなんですよね。やっぱりストーリーを理解するのには、少し年齢が上がらないといけないので。番組の25分間全部が、均等に同じ年齢に向けているわけではないから、最初は歌とか体操にビビッドに反応していたのが、ちょっと大きくなると人形劇にタタタッて寄っていったりとか、そういう変化は出てくると思いますよ。
責任や義務ではなく、少し肩の力を抜いてやってみる
だいすけ そうですよね、楽しみですね。今まで友だちの子どもの話を聞くと、「ここのシーンは反応するけど、ここは反応しないんだよ」、「最近はこうでね」って、変わっていくのが不思議だなって思っていました。でも、子どももそうやって日々変わっていくし、子どもが毎日新鮮に過ごすように、親も新鮮な気持ちでいることが、楽しむことやいろんなことの共有につながっていくのかなって。「親だからこうしなきゃいけない、ああしなきゃいけない」、「ちゃんと育ててあげなきゃいけない」と、「しなきゃいけない」に囲まれちゃうと、どうしても自分自身が息苦しくなっちゃう。改めて、もうちょっとこう、肩の力を抜いていいんだなって思いました。
古屋 そうだと思いますよ。やっぱり、ルーティンで長く続いているものって、だんだん「義務」になっちゃうんですよ。最初は楽しくて始めたことも、なんかこう、重荷になっていっちゃうんだよね。子育てがそれとイコールとは言い切れないけれど、責任とか義務でやっていくと、いろんなものが楽しくなくなるんですよ。なので、もう少しフラットに、来た現象を新鮮に受け止めるような気持ちでいると、肩の力も抜けて楽しみやすくなるかもしれない。子育てのことをそんな簡単に言うな、って思われたら、ごめんなさい。
プロフィール
横山だいすけ よこやまだいすけ/NHK Eテレ「おかあさんといっしょ」の歌のお兄さんを2017年3月まで最長9年務める。「子どもに良質の音楽を届けたい」という目標のもと、舞台、ラジオ、TVなど幅広く活躍。NHK Eテレ「すイエんサー」(毎週火曜19:25~19:50)他出演多数。YouTubeチャンネル「だいすけお兄さんのわくわくスクール」も配信中。「『オープニングナイト』~桜咲高校ミュージカル部~」に主演のテッペイ役で出演中! 詳細はWEBで。 Web:yokoyamadaisuke.com/ Blog:ameblo.jp/daisuke-yokoyama/ Twitter:@daisuke_minna Instagram:@daisuke_youtube | |
古屋光昭 ふるやみつあき/株式会社NHK エデュケーショナルこども幼児部部長プロデューサー。NHK入局以来、「おかあさんといっしょ」「ピタゴラスイッチ」など幼児番組を担当。 2~4歳児を対象とした教育エンターテインメント番組「おかあさんといっしょ」は、NHK Eテレで月曜~土曜の7時45分から放送中。だいすけお兄さんも出演する「映画 おかあさんといっしょ ヘンテコ世界からの脱出!」は、9月10日より全国ロードショー予定。 |
インフォメーション
kodomoe8月号では、「『おかあさんといっしょ』の秘密を教えてください!」というテーマで、だいすけお兄さんと古屋さんの対談を掲載しています。
前回のゲスト今泉忠明先生との対談は、こちらから。
これまでの「だいすけお兄さんのパパシュギョー!」一覧を見る。
インタビュー/原 陽子 撮影/大森忠明 スタイリング/吉岡ちさと(だいすけさん) ヘアメイク/安藤千浪(だいすけさん)
だいすけさん衣装/ストライプシャツ17600 円、中に着たTシャツ14300 円、デニムパンツ18700 円/ Bohemians