
タレント・辻希美さんインタビュー「反抗期でも『3食だけは絶対作って食べさせる』と決めています」
今年8月に二女・夢空(ゆめあ)ちゃんを出産、5人の子どもを育てるママになった辻希美さん。“新メンバー”を迎えた一家7人の暮らしぶりや、結婚18年となる夫・杉浦太陽さんとの夫婦円満のコツなど、たっぷり語っていただきました。
きょうだい達が「ゆめ語」でおしゃべり
その様子を見るのが何より幸せ
――ご出産おめでとうございます! 夢空ちゃんはよく寝てくれますか?
夜はともかく、昼間はけっこう寝てくれて助かることも多いです。7年ぶりの赤ちゃんですが、5人めということもあって、私自身がわりと余裕を持って接することができているかな。
ひとりめ(長女、希空さん)のときは初めての育児だったので、それこそ育児書を見ながら、少しでも書いてある通りに進んでいないとそれがストレスで……。でも慣れというのは素晴らしいもので(笑)、4人を育ててきた中で少しの発熱くらいでは慌てふためかなくなりましたし、子どもの成長の速度や様子はそれぞれなんだな、と分かるようになりました。

―確かに、子どもって本当にそれぞれですよね。ところで辻さん自身はどんなお子さんだったのでしょうか?
引っ込み思案で、母の後ろをずっとついて歩くような子で、人前に出ることが本当に苦手でした。学芸会ではステージに出る役ではなく、裏方をやりたいタイプ。周りの人からは「どこから変わっちゃったの!?」と言われることも多いのです(笑)。でもスポーツは大好きでした。小学生のころはバレーボールと少年野球をやっていて、スポーツをしているときはぐいぐい前に出ていっていましたね。
あと、紙芝居も大好きでした。友だちと図書館に行って紙芝居を読み合いっこするんです、登場人物の声色とかまねて。子どもが生まれてからの絵本の読み聞かせにも、つながっている気がします。
――お子さんたちにはどんな絵本を読んであげていましたか? お気に入りの絵本があれば教えてください。
月齢や年齢によって、そのときどきでお気に入りは変わっていましたが、私が大好きでよく読んであげていたのは『そらまめくん』(なかやみわ/作)シリーズかな。
夢空にはまだ早いですが、お話がわかるくらいになってきたら、私のかわりに希空が読んでくれそう。もう、小さいママって感じです。
夫婦円満の秘訣は「すぐ言わない」
もうケンカは何年もしていません
――辻さんご夫婦は、夫婦仲がいいことでも有名ですね。ご著書では、夫の杉浦太陽さんとの関係についてもたくさん触れられています。
夫は、誰よりもすべてを出せる相手。親よりも私のことを分かってくれる存在です。女性はホルモンリズムでイライラしているときなどがあると思うのですが、どんな状態の私でも“ウェルカム”なのが彼のすごいところだと感じます。

辻希美『杉浦家、7 人生活スタートです。』(講談社)より
――夫婦げんかをしないために意識していることや、あらかじめ決めているルールなどはありますか?
私はひと晩寝ちゃうとリセットできる方なので、夫にイライラすることがあったら寝ちゃうことが多いかな。ぶつける前に寝る! 実は、結婚した当初は「ため込まないほうがいい」と思って、お互いにイラっとしたときには全部言い合っていたんです。でも感情が高ぶっているときに不満をぶつけ出すと、自分でも思ってもいないようなキツい言い方になってしまったり、今関係ないことまで持ち出してしまったりして、ケンカが終わらない。結局どんどん悪い方に行ってしまい、「もういい!」って何も解決しないでイヤな感じだけが残ることに気が付いたんです。
夫も同じように感じていたようで、あるとき「『言いたいことは明日言え』という言葉がある。おれはこれからそれを実践しようと思う」って言い出して。「確かに」って思いました。
それからは、イラっとしたときには「フーッ」って大きく息を吐いてひとまず自分を鎮め、ひと晩寝た後にまだ「やっぱりこれは言わねば」と思うことは伝えるようになりました。お互いそうするようになったおかげか、ケンカらしいケンカはもう何年もしていない気がします。
――何年も? それはすごいことですね。
もちろん、イライラすることはありますよ、お互いに。でもうまくケンカを回避する方法を見つけたという感じです。例えば、洗濯物を何回言っても裏返しに脱ぐとかはよく周りで聞くのですが、わが家の場合は靴下やパンツが裏返しだったら、そのまま洗濯してそのまましまっておく。そうすると裏返しのまま履いてくるので(笑)、ケンカにはなりません。あ、でもよくあるのは、私の話を夫がちゃんと聞いてないというイライラ。夫は集中していると何も耳に入ってこないタイプで、例えばスマホを見ているときに私が話すと、後日「おれは聞いてない」とか。「『うん』って言ったじゃん」「いやおれは初めて聞いたし」というのは、しょっちゅうあります。
子どもに反抗期が来ても
3食は絶対に作って食べさせる
――子どもの成長にともなって子育ての悩みも変わってきますよね。辻さんはお子さんの変化に対応するために、どのように意識をアップデートされていますか?
長女のときは全部が初めてなので探り探り、という感じでしたが、2人め、3人めとなると、こんな風に変わっていくんだなとか、思春期に入った時期などが分かるようになりました。子ども1人1人に個性があり性格もちがうので、対応も一律ではありませんが、共通して決めているのは「3食作っておくのだけは絶対にやろう」ということ。そこだけはしっかり。

――kodomoe読者の中には、毎日のごはんづくりに悩んでいる方も多くいます。最後に、辻さんが「時間も体力もない!」というときに作る定番メニューをぜひ教えてください。
忙しいときに重宝するメニューはビビンバ丼です。お肉と野菜、ごはんが1ボウルで食べられて栄養バランスがいい上、後片付けもラク。いっとき、そればっかり出していたら飽きられてしまったこともありましたが(笑)。
あと、上の子どもたちが小学生くらいに成長してからも使えたのは、何でもお弁当箱に詰めちゃうこと。品数が少なくても弁当箱に詰めるだけで喜んで食べてくれました。日々のごはんづくりに行き詰ったり、子どもがごはんを食べないと悩むことがあったら、ぜひ試してみてください!
辻 希美
つじのぞみ/1987年生まれ。2000年、モーニング娘。の第4期メンバーとして選ばれ、デビュー。2004年にグループ卒業後、ユニット活動を経てソロに。2007年に俳優の杉浦太陽さんと結婚、出産。現在は5人の子どもの母として奮闘するかたわら、テレビ等のメディア出演、自身のYouTubeチャンネルなどで活躍。11月に新著『杉浦家、7人生活スタートです』(講談社)を上梓。
INFORMATION
『杉浦家、7人生活スタートです。』
辻希美著 講談社 1760円

インタビュー/遊佐信子 撮影/相馬ミナ




































