「板垣李光人くんはそっと甘いものをくれる優しい子」「中村倫也さんは初めてでもどこかで会った気にさせてくださる方」【板垣李光人さん&中村倫也さん 初共演インタビュー】
子どものころは
母の読み聞かせでぐっすり
――ご自身で絵本を手掛けられた経験をお持ちのおふたりですが、思い出の絵本はありますか?

中村 僕は、正直物語の内容はあんまり覚えてないんですけど『ねずみのアナトール』ですね。ちっちゃいころ、寝るときに母が読んでくれていました。その頃に飼っていたハムスターに、この絵本に出てくるねずみの子どもたちと同じ名前をつけた記憶があります。
板垣 (絵本をじっくり見ながら)へ~! 僕はこの絵本、初めて知りました! 絵が独特のタッチですね。僕は、学校の図書室にあった『おまえうまそうだな』を、小1くらいのときに読んだのを覚えています。
中村 (板垣さんの思い出の絵本を見て)お ま え 、う ま そ う だ な ぁ 〜!(と、太い声でタイトルを読み上げる)
――中村さんもこの絵本、ご存知ですか?
中村 いや、僕知らないです(笑)。
板垣 フフフ! この大きいティラノサウルスが、こっちの小さいコを食べようとするんですけど。
中村 うんうん。
板垣 「おまえうまそうだな」って言ったら、この小さい子が自分の名前を“うまそう”なんだと勘違いして、なついちゃうんです。
中村 ハハハ!
板垣 最初は食べようと思って近づいたのに、なぜか育てることになり……っていう、ハートフルな話なんです。泣けますよ。

『ねずみのアナトール』(文研児童読書館)タイタス/作 たがや たえこ/訳 はまだ みちこ/絵

『おまえうまそうだな』(ポプラ社) 宮西達也/作
――おふたりが作られた絵本も、どちらも優しいお話ですよね。
中村 僕が2020年にYouTubeで絵本動画『つきのくらしは』を作ったのは、“コロナ禍でお母さんが子どもの相手をする引き出しがなくなってきた”というニュースを見かけた時期で。あのときの子どもたちに向けた僕の思いを含めながら、読み聞かせできるものを作ったら何かできるかな〜って。で、せっかくなので同じ事務所の杏さんに絵を描いてもらって、(木村)佳乃さんや佐々木(希)さんたちに声をやってもらいました。
板垣 僕は今回『ボクのいろ』を描くにあたって、いろんな絵本を読みました。絵本って、どうしても子どもに読んであげたり、子どものときに読むものっていう印象があったんですけど、大人になった今読んでも、読み物としておもしろいですよね。改めてそういう発見があったので、僕も子ども向けには描くけど、大人も読めるようなものがいいなと思いながら作ってみました。

――では最後に、田丸と吉敷は、戦地で「日本に帰りたい、家に帰りたい」と願いながら日々奮闘していました。おふたりが今日帰ったらやりたいことはなんですか?
板垣 え〜、なんだろうな? 布団に入りたい♡
中村 ハハハ!
――何時間くらい寝たいですか?(笑)
板垣 何時間ぐらいかな? でもあんまり寝すぎても疲れるので……。
中村 おじいちゃんか! まだいくらでも寝られるだろ(笑)。
板垣 いや、寝てると結構疲れるんですよ(笑)。
中村 あ、そう。マットレスが合ってないんじゃない?
板垣 え〜? いいのを買ったんですけどね(笑)。でも、8時間ぐらいでいいかな。
中村 僕は最近、風呂が好きなんですよ。なんか自分から出汁が出てる気がするんです。柔らかくなっていく感じがして、昆布になったような気分♪ マズいでしょうけどね、その出汁。
板垣 フフフフ!
――昆布だしはおいしいですよ!
中村 ナカムラはおいしくないです(笑)。でも、風呂に入ってゆっくりしたいですね。

INFORMATION
『ペリリュー -楽園のゲルニカ-』

©武田一義・白泉社/2025「ペリリュー -楽園のゲルニカ-」製作委員会
太平洋戦争末期の昭和19年、南国の美しい島・ペリリュー島。21歳の日本兵士で漫画家志望の田丸は、その才を買われ、亡くなった仲間の最期の勇姿を遺族に向けて書き記す「功績係」という特別な任務を命じられる。田丸は仲間の死を、時に嘘を交えて美談に仕立てる。正しいこと、それが何か分からないまま …。そんな彼の支えとなったのは、同期ながら頼れる上等兵・吉敷だった。2人は共に励まし合い、苦悩を分かち合いながら、特別な絆を育んでいく。過酷で残酷な世界で懸命に生きようとした若き2人の兵士が、狂気の戦場で見たものとは――。
出演:板垣李光人/中村倫也 天野宏郷、藤井雄太、茂木たかまさ、三上瑛士
監督:久慈悟郎
脚本:西村ジュンジ・武田一義
原作:武田一義『ペリリュー -楽園のゲルニカ-』(白泉社・ヤングアニマルコミックス)
配給:東映
©武田一義・白泉社/2025「ペリリュー -楽園のゲルニカ-」製作委員会
2025年12月5日(金)公開
https://peleliu-movie.jp/

(左)いたがきりひと/俳優、アーティスト。2002年生まれ。10歳で俳優デビュー、2024年に日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞。近年は映画『ブルーピリオド』、『はたらく細胞』、『ババンババンバンバンパイア』や、ドラマ『秘密~THE TOP SECRET~』、『しあわせな結婚』、『ばけばけ』など、ジャンルを問わず話題作に多数出演。アーティストとしても活躍し、2025年11月に自身が手がけた絵本『ボクのいろ』(Gakken)を発売。
(右)なかむらともや/俳優。1986年生まれ、東京都出身。2005年俳優デビュー。近年の出演作には、映画『ミッシング』、『ラストマイル』、『あの人が消えた』やドラマ『DOPE 麻薬取締部特捜課』などがある。2026年1月より主演ドラマ「DREAM STAGE」に出演予定。
中村倫也さん着用 スキッパーシャツ37400円、パンツ 39600円/ともにconcause(STUDIO FABWORK tel:03・6438・9575)その他/スタイリスト私物
インタビュー/二ッ屋絢子 撮影/黒澤義教 スタイリング/稲垣友斗(CEKAI)(板垣さん)、戸倉祥仁/Akihito Tokura (holy.)(中村さん) ヘアメイク/KATO(TRON)(板垣さん)、Ryo Matsuda (Y’s C)(中村さん)




































