2022年12月20日

『いちごサンタ』【今日の絵本だより 第335回】

kodomoe本誌連載の「季節の絵本ノート」では、毎回2か月分のおすすめ絵本を15冊、ぎゅぎゅっとコンパクトにご紹介しています。
こちらのweb版では毎週、ちょうど今読むのにいいタイミングの絵本をおすすめしていきます。おやすみ前や週末に、親子で一緒にこんな絵本はいかがですか。

『いちごサンタ』
大塚健太/文 わたなべあや/絵 白泉社 968

12月も後半、クリスマスまでいよいよカウントダウンですね。
ちょうど今の時期におすすめなのが、kodomoe発の新刊絵本『いちごサンタ』。
親子で迎えるクリスマスに、ぴったりの一冊です。

表紙を開くと、お菓子の家からあわてて走り出したのは、いちごのサンタさん、いちごサンタ。
港には、ショートケーキの船が泊まっています。
「ぼー ぼー」
と汽笛の音がして、ビスケットの船長さんが、
「まもなく しゅっこう いたしまーす」
そこへ、
「のせてくださーい」
走ってきたいちごサンタは、無事間に合って、
「ぼっぼー!」
船は汽笛を鳴らして出発です。

今度はまた別のいちごサンタが、ブルーベリーたちと一緒に急いでいます。
「のせてくださーい」
お次はどんな乗り物でしょう?
「ぶるぶるぶるぶる」
メレンゲのきのこさんが
「まもなく はっしゃ いたしまーす」
エンジンの音を鳴らしていたのは、ロールケーキのバスでした。
「ぶるるん ぶるん!」
いちごサンタとブルーベリーたちが、ちょこんと乗って出発です。

赤い帽子と白いお顔がキュートないちごサンタと、仲間のお菓子やフルーツが、いろんなケーキの乗り物に次々に乗り込んで、さあ出発。
みんなどこへ向かうのか、それは読んでのお楽しみ。
かわいい×おいしい×ワクワクのかけ算で、サンタさんを待つドキドキがますますふくらむ絵本です。
いちごでできているいちごサンタをはじめ、マシュマロゆきだるまや、乗り物になるそれぞれのケーキもお菓子も、身近で親しみやすいものばかり。
絵本の場面を親子で真似して作ってみるのも、クリスマスの楽しい思い出になりそうですよ。
(完全再現でなくいちごサンタ一人だけでも、十分にかわいい予感がします!)

 

選書・文 原陽子さん
はらようこ/フリー編集者、JPIC読書アドバイザー。kodomoeでは連載「季節の絵本ノート」をはじめ主に絵本関連の記事を、MOEでは絵本作家インタビューなどを担当。3児の母。

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