2022年11月1日

『おすしが ふくを かいにきた』【今日の絵本だより 第328回】

kodomoe本誌連載の「季節の絵本ノート」では、毎回2か月分のおすすめ絵本を15冊、ぎゅぎゅっとコンパクトにご紹介しています。
こちらのweb版では毎週、ちょうど今読むのにいいタイミングの絵本をおすすめしていきます。おやすみ前や週末に、親子で一緒にこんな絵本はいかがですか。

『おすしが ふくを かいにきた』
田中達也/作 白泉社 1430円

ご存知でしたか?
11月1日は、おすしの日。
それにちなんで、今回は10月に発売になったばかりの新刊、『おすしが ふくを かいにきた』をご紹介します。

「おすしが ふくを かいにきた。」
お店にやってきたのは、サングラスがクールな、赤いマグロのおすし。
ハンガーには、オレンジ色のサーモン、しましま模様のエビ、黄色いタマゴ、おすしのための服がいっぱい。
「サーモンにします?」
「おもいきって トロにしようかな?」
おや、壁にはイクラや小ネギのネックレスも。
マグロのおすしは、どんな服を選ぶのかな?

お次は、帽子を買いにきたアイス(のコーン)。
お店の中には、ストロベリーにチョコミント、たくさん並んだアイスの帽子。
よく見ると、棚は板チョコ、カウンターはウエハース。
お店の人は、お客のアイスに
「にんきの まっちゃは いかがです?」
とおすすめ。
うーん、どれが一番似合うかな?

すみずみまで楽しい発見がいっぱいの写真絵本、作者はミニチュア写真家・見立て作家の田中達也さん。
食べ物や文房具、身近な物を、本物そっくりの何かに見立てる「みたて」の世界で、おすし、アイス、鉛筆にソーセージ、みんなのお買い物のシーンを、いくつものストーリーで見せてくれます。
ミニチュアアート作品「MINIATURE CALENDAR」を、2011年から毎日ネットで発表し続けている田中さん、Instagramのフォロワーはなんと360万人超(2022年7月現在)。
田中さんのミニチュアで制作された、2017年NHK連続テレビ小説「ひよっこ」のタイトルバック映像を覚えている方も、多いのではないでしょうか。
今年の6月に初めての絵本『くみたて』(福音館書店)を刊行、『おすしが ふくを かいにきた』は2冊目の絵本ですが、シンプルな言葉と何度も見たくなる画面のコンビネーションは、王道の絵本の安定感。
そんなスタンダードさがありながら、スタイリッシュな写真に、驚きのアイディアとユーモアと、新しい魅力もぎゅっと満載。
どんな世代でも、どんな国の人でも引き込まれそうなこの作品、絵本の新しい扉が開かれた感がありますよ!

 

選書・文 原陽子さん
はらようこ/フリー編集者、JPIC読書アドバイザー。kodomoeでは連載「季節の絵本ノート」をはじめ主に絵本関連の記事を、MOEでは絵本作家インタビューなどを担当。3児の母。

 

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