2022年10月29日

『わんわん ハロウィーン』【今日の絵本だより 第327回】

kodomoe本誌連載の「季節の絵本ノート」では、毎回2か月分のおすすめ絵本を15冊、ぎゅぎゅっとコンパクトにご紹介しています。
こちらのweb版では毎週、ちょうど今読むのにいいタイミングの絵本をおすすめしていきます。おやすみ前や週末に、親子で一緒にこんな絵本はいかがですか。

『わんわん ハロウィーン』
高林麻里/作 講談社 1210

あと数日で、ハロウィーン。
今週末に、トリック オア トリートを楽しむ子どもたちもいるでしょうか?
すっかり日本でもおなじみになったハロウィーン。
絵本もたくさん出ていますが、「うちの子はまだ小さいから、ハロウィーンはよくわからないかな……」というママパパにご紹介したいのが、今年発売になったこちらの絵本。
1歳からの読み聞かせにおすすめの、『わんわん ハロウィーン』です。

「きょうは ハロウィーン。
 なにに なろうかな」
と考えているのは、茶色い小さなわんちゃん。
ページをめくると、
「にんじゃに へんしん!
 むにむにむに!」
忍者の衣装とポーズがかっこよく決まっています。

次はまた別のわんちゃんが、
「なにに なろうかな」。
ページをめくると、
「ピエロに へんしん!
 わんわん ぴょーん!」
水玉模様の服を着た、赤いお鼻の元気なピエロになりました。

車椅子に乗ったわんちゃんは、紫の服に三角帽の魔女に。
大きなわんちゃんは、バラがいくつもついたピンクのドレスのお姫様に。
みんなばっちり変身したら、夕暮れの中、
「さあ、でかけよう!」
「おかし たくさん もらえるかなぁ。」
いろんな変身をしたわんちゃんで、お外は夜でもにぎやか。
宇宙飛行士、てんとう虫、クレヨンや、トランプになっているわんちゃんも。
かぼちゃのバケツを手に持って、
「おかし ちょうだい!」
「おかし ちょうだーい!」
みんなのバケツも、あっという間にお菓子でいっぱいです。

いつもと違う姿に変身して、夜に出かけて、たくさんお菓子をもらって。
シンプルなうれしさと楽しさに満ちたお話は、登場人物がさりげなく個性的なのもいいところ。
小さいわんちゃん、大きいわんちゃん、車椅子のわんちゃん。
みんなそれぞれ違いますが、ごく普通にハロウィーンを一緒に楽しんでいます。
小さい頃から絵本の中で、こんな風にいろんな個性と自然に出会えるのも、素敵なことですね。

 

選書・文 原陽子さん
はらようこ/フリー編集者、JPIC読書アドバイザー。kodomoeでは連載「季節の絵本ノート」をはじめ主に絵本関連の記事を、MOEでは絵本作家インタビューなどを担当。3児の母。

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