2022年2月22日

『ながいながい ねこのおかあさん』【今日の絵本だより 第274回】

kodomoe本誌連載の「季節の絵本ノート」では、毎回2か月分のおすすめ絵本を15冊、ぎゅぎゅっとコンパクトにご紹介しています。
こちらのweb版では毎週、ちょうど今読むのにいいタイミングの絵本をおすすめしていきます。おやすみ前や週末に、親子で一緒にこんな絵本はいかがですか。

『ながいながい ねこのおかあさん』【今日の絵本だより 第274回】の画像1『ながいながい ねこのおかあさん』
キューライス/文 ヒグチユウコ/絵 白泉社 1320円

本日は2022年2月22日、スーパー猫の日。
猫と絵本は相性がよいのか、猫が登場する絵本は数限りなくあって、猫も絵本も好きな人はきっと皆さんそれぞれに、推し猫絵本がありますよね。
そんな中から一冊選ぶのもなかなか難しいのですが、今回はこちらの作品を。
キューライスさんとヒグチユウコさん、人気作家同士がコンビを組んだ『ながいながい ねこのおかあさん』をご紹介します。

こねこのおかあさんは、とっても体が長いねこ。
どのくらい長いかというと、おしりもはるか彼方にありすぎて、全然見えないくらい。
ある日こねこは、突然強い風に吹き飛ばされてしまい、着いたところはおかあさんのしっぽ。
おかあさんの顔のところまで向かおうとしますが、なにしろおかあさんの体は果てしなく長いので、進んでも進んでもなかなかたどり着きません。
くたくたになり、日も暮れてしまって、こねこは泣き出してしまいます。

おかあさんの顔のところまで戻ろうと、まっすぐ前を見て、長い体の横を一心に走るこねこ。
そのこねこをじっと見守り、動かずに待つおかあさん。
親子同士、お互いを思う気持ちが満ちあふれていて、長すぎる体の不思議さが気にならなくなるくらい。
そして、その長い長い体ゆえの、みごとに幸せなラスト。
クラシカルなようで新しい、その特別な空気感に引き込まれて、何度も繰り返し読みたくなる作品です。

3月7日発売のkodomoe4月号では、第2特集で動物の絵本をたくさん紹介しています。
猫の絵本もいろんなタイプをピックアップしていますので、どうぞお楽しみに!

 

選書・文 原陽子さん
はらようこ/フリー編集者、JPIC読書アドバイザー。kodomoeでは連載「季節の絵本ノート」をはじめ主に絵本関連の記事を、MOEでは絵本作家インタビューなどを担当。3児の母。

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