2021年9月12日

『ぶどうくん』【今日の絵本だより 第237回】

kodomoe本誌連載の「季節の絵本ノート」では、毎回2か月分のおすすめ絵本を15冊、ぎゅぎゅっとコンパクトにご紹介しています。
こちらのweb版では毎週、ちょうど今読むのにいいタイミングの絵本をおすすめしていきます。おやすみ前や週末に、親子で一緒にこんな絵本はいかがですか。

『ぶどうくん』【今日の絵本だより 第237回】の画像1『ぶどうくん』
さとうめぐみ/作・絵 PHP研究所 1540円

少しずつ暑さも落ち着き、秋の気配が感じられるようになりました。
秋の果物もお店に並ぶこの時季に、ちょうどぴったりの一冊、『ぶどうくん』をご紹介します。

ぶどうくんは、元気いっぱいな男の子。
「おいしいもり」で、果物や野菜のみんなが大縄跳びをしているのを見て、
「おーい!  みんな!  ぼくも いれてよ!」
と、仲間に入れてもらいます。
でも、ごきげんなぶどうくんは、縄を跳びながらふざけて飛び上がったり、踊ったり。
大縄跳びは全然続かずに、みんなは渋い顔。
「ぶどうくん、ちゃんと とんでよ」
みんなに文句を言われて、ぶどうくんは
「やーめーた!」
と怒って駆け出します。
残ったみんなも、その状況をお互いに責めあい、言い合いに。
そこへ、何やら不穏な影が近づいて……。

さあ、そこからお話は二転三転、意外な勢いの展開にびっくり。
ちなみに『ぶどうくん』、帯がついているとこんな感じなのですが

『ぶどうくん』【今日の絵本だより 第237回】の画像2

お話の後半は、このやくみレンジャーが大活躍。
しょうがにいさん、わさびあにき、とうがらしやろう、かぼすねえ、ゆずねえ、レモンちゃん。
やくみの6人が登場して、「おいしいもり」のみんなのピンチを救います。
そしてもちろん、主役のぶどうくんも、このままでは終わりません。
短所が長所に変わる展開に、こちらもぐっと励まされます。
これは胸熱!

『ぶどうくん』は、「おいしいもり」シリーズの第五弾。
やくみレンジャーの秘密は第一弾、『レモンちゃん』でわかります。
こちらのリンクから、『レモンちゃん』公式の読み聞かせ動画が閲覧できます。

発売中のkodomoe10月号「季節の絵本ノート」では、他にもおいもやりんごなど、秋のおいしいものの絵本を5冊紹介しています。
ご家族の秋の絵本時間に、ぜひお役立てください。

 

選書・文 原陽子さん
はらようこ/フリー編集者、JPIC読書アドバイザー。kodomoeでは連載「季節の絵本ノート」をはじめ主に絵本関連の記事を、MOEでは絵本作家インタビューなどを担当。3児の母。

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