『ばばばあちゃんの アイス・パーティ』【今日の絵本だより 第232回】
kodomoe本誌連載の「季節の絵本ノート」では、毎回2か月分のおすすめ絵本を15冊、ぎゅぎゅっとコンパクトにご紹介しています。
こちらのweb版では毎週、ちょうど今読むのにいいタイミングの絵本をおすすめしていきます。おやすみ前や週末に、親子で一緒にこんな絵本はいかがですか。
『ばばばあちゃんの アイス・パーティ』
さとうわきこ/作 佐々木志乃/協力 福音館書店 990円
前回に引き続き、冷たくておいしいものの絵本をご紹介。
今回は、いつでも頼りになる「ばばばあちゃん」のシリーズから、『ばばばあちゃんの アイス・パーティ』です。
天気予報では、今日はこの夏一番の暑さ。
「おや おや たまらないねえ」
と、ばばばあちゃん。
「そうだ、こんな ひは こおりの おかしを つくって
アイス・パーティを しよう」
と思いつきます。
集まった子どもたちも、もちろんみんな大賛成。
でも、アイス・パーティって何するの?
「いれものに いれて なんでも こおらせれば いいんだよ。
さあ、すきなものを もってきて こおらせてごらん」
ばばばあちゃんのその言葉で、みんないろいろなものを持ってきました。
さあ、ぜーんぶ凍らせてみましょう。
サイダーやジュース。
キャラメル、マシュマロ、あまなっとう、チョコにゼリー。
あれ、まつぼっくりやミニカー、お人形を凍らせている子もいますよ!
ばばばあちゃんは、
「わたしゃ こうちゃを やってみるよ。おちゃも さまして いれよう」
それから、お茶菓子のようかんにまんじゅう、うめぼしも!
りんご、ぶどう、すいかにバナナ。
最後に、いろんな花やハーブも。
みんな冷凍庫に入れて、しばらくは遊んで待ちましょう。
ようやく全部凍ったら、テーブルにずらりと並べて、アイス・パーティの始まり始まり。
と思ったら、あれ、ばばばあちゃんだけ、どこ行くの?
お話は1冊まるごと、夏の楽しい自由研究みたい。
なんでも子どもたちの好きにさせてみて、あれこれ言わないばばばあちゃん。
でもところどころでさらっと、お役立ちなことをつぶやいて。
子どもの見守り方、かくあるべしという素敵な姿勢。
見守り方というより、ばばばあちゃんは現役で、子どもたちの仲間なんですよね。
自分のお楽しみを大事にするラストが、とってもばばばあちゃんらしくてナイス!
お楽しみはさらに盛り上がって裏表紙に続いています、お見逃しなく。
選書・文 原陽子さん
はらようこ/フリー編集者、JPIC読書アドバイザー。kodomoeでは連載「季節の絵本ノート」をはじめ主に絵本関連の記事を、MOEでは絵本作家インタビューなどを担当。3児の母。