2021年2月19日

『ゆきのけっしょう』【今日の絵本だより 第190回】

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kodomoe本誌連載の「季節の絵本ノート」では、毎回2か月分のおすすめ絵本を15冊、ぎゅぎゅっとコンパクトにご紹介しています。
こちらのweb版では毎週、ちょうど今読むのにいいタイミングの絵本をおすすめしていきます。おやすみ前や週末に、親子で一緒にこんな絵本はいかがですか。

『ゆきのけっしょう』【今日の絵本だより 第190回】の画像1『ゆきのけっしょう』
武田康男/監修・写真 小杉みのり/構成・文 岩崎書店 本体1300円+税

 発売中のkodomoe2月号連載「季節の絵本ノート」では、雪やつらら、霜ばしら、寒い時季ならではの風物詩の絵本を5冊紹介しています。
今回はその中からこちらの1冊、写真絵本の『ゆきのけっしょう』をご紹介します。

「きょう いいもの みつけたよ。
 よーく めを こらしていたら だいはっけん。」
雪景色の写真の中に、おや、何かが見えますよ。
「ほら! きらっと ひかった。
 ゆきの なかに かたちが みえる。」
子どもに向けてのやさしい語り口で、読者は本の中にぐんと引き込まれます。

雪の結晶が生まれるのは空の上、冷たく湿った雲の中。
目に見えないくらい小さな結晶の赤ちゃんが、少しずつ大きくなり、砂の粒くらいになってようやく形が見えてきます。
「えんぴつを みじかく きったみたい。
 みんな さいしょは この かたち。」
このシンプルな六角形から、あの美しい結晶の形になるまでのプロセスが、丁寧に写真で説明されています。

大きくなった結晶は、実にさまざま、いろんな形。
「つぶが つくった レースもよう。」
「おにぎりみたいな ろっかっけい。」
「ばんそうこうを かさねた かたち。」
本物はどんな感じだろうと、実際に絵本を開いて見てみたくなりませんか?

「絵本=おはなし」という固定観念から、科学絵本や写真絵本に手が伸びない大人も多いと思うのですが、この作品はお話を読んでいる感覚で、すっと気持ちよく心に入ります。
写真の美しさ、言葉のやさしさ、わかりやすいお話仕立ての構成で、こんなにも親しみやすくなるんだと、まさに目からウロコ。
幼い頃にこうした作品に出会えたら、読む絵本の幅がぐんと広がりそう。
実際小学校にあがっても、写真絵本は調べ学習などで大事なツールです。

青い地色に白く輝くいくつもの結晶の姿、素敵だな、きれいだな、とうっとり見ていくと、ラスト間際にちょっとはっとするメッセージが。
それもこの本を印象深くしていて、きっとこの言葉は、大人の方が心に響くのではないでしょうか。
気になる方はぜひ、『ゆきのけっしょう』を手に取って、確かめてみてくださいね。

 

選書・文 原陽子さん
はらようこ/フリー編集者、JPIC読書アドバイザー。kodomoeでは連載「季節の絵本ノート」をはじめ主に絵本関連の記事を、MOEでは絵本作家インタビューなどを担当。3児の母。

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