2020年10月30日

『ハンカチやさんのチーフさん』【今日の絵本だより 第166回】

kodomoe本誌連載の「季節の絵本ノート」では、毎回2か月分のおすすめ絵本を15冊、ぎゅぎゅっとコンパクトにご紹介しています。
こちらのweb版では毎週、ちょうど今読むのにいいタイミングの絵本をおすすめしていきます。おやすみ前や週末に、親子で一緒にこんな絵本はいかがですか。

『ハンカチやさんのチーフさん』【今日の絵本だより 第166回】の画像1『ハンカチやさんのチーフさん』
どいかや/文 伊藤夏紀/原案・絵 白泉社 本体1300円+税

少し先ですが11月3日は、文化の日であり、ゴジラの日であり、そして、ハンカチーフの日。
フランス国王ルイ16世の王妃、マリー・アントワネットが「ハンカチはすべて正方形にするように」という布告を出させたことにちなんで、マリー・アントワネットの誕生日である11月2日、に近い祝日の11月3日に制定されました。
『ハンカチやさんのチーフさん』は、オリジナルのハンカチを一から作ってお店で売っている、リスのチーフさんのお話です。

チーフさんのお店には、たくさんの生地やレース、リボン、刺繍糸が、棚いっぱいに並んでいます。
あれこれ選んで組み合わせ、自分でデザインして作る他に、お客さんの注文に合わせたオーダー品を作ることも。
ある日はちのおかあさんから頼まれたのは、100匹の赤ちゃんの1歳のお誕生日に、初めてのお出かけに合わせて、100匹みんなおそろいのハンカチ。
デザインはおまかせ、お誕生日は3日後!
さあ、チーフさんは大忙し。
早速デザインを考えて、赤ちゃんに優しい柔らかなガーゼの生地を100枚分、裁断し始めました。

お誕生日当日、出来上がった100枚のハンカチを、はちのおかあさんと手分けしてみんなのポケットに入れてあげるチーフさん。
最後の子に入れ終わった後の、チーフさんの温かい一言には、はちのおかあさんと一緒に私も毎回泣けてしまうのです。
100匹の赤ちゃんとの1年間、はちのおかあさん、きっと大変だっただろうなあ。
そして、さすが働きぶりの見事なチーフさん、あつらえたのは100枚だけではなくて……。

この絵本は1歳のお誕生日を迎える子に、よりもむしろそのママに、プレゼントしたい一冊。
(ハンカチも添えたら、なお素敵!)
ハンカチという日々の小さな相棒の、愛らしさ、そして頼もしさ。
ポケットに収まる四角の布が、とびきり素敵な気分にしてくれる時もある。
きっと今までよりもぐっとハンカチが好きになる、特別に思えてくるお話です。

 

選書・文 原陽子さん
はらようこ/フリー編集者、JPIC読書アドバイザー。kodomoeでは連載「季節の絵本ノート」をはじめ主に絵本関連の記事を、MOEでは絵本作家インタビューなどを担当。3児の母。

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