『おやすみやさい』【今日の絵本だより 第152回】
kodomoe本誌連載の「季節の絵本ノート」では、毎回2か月分のおすすめ絵本を15冊、ぎゅぎゅっとコンパクトにご紹介しています。
こちらのweb版では毎週、ちょうど今読むのにいいタイミングの絵本をおすすめしていきます。おやすみ前や週末に、親子で一緒にこんな絵本はいかがですか。
『おやすみやさい』
わたなべあや/絵 ひかりのくに 本体850円+税
本日8月31日は、野菜の日。
それにちなんで、おやすみなさいの時間にぴったりの野菜の絵本、『おやすみやさい』をご紹介します。
おもちゃで遊んでいるほうれんそうちゃんが、大きなあくびをしています。
さあ、ほうれんそうの葉っぱのふんわりおふとんをかけて、
「おやすみやさーい」。
にんじんちゃんたちは、ふたりでけんかの真っ最中。
でも、けんかの時間はもうおしまい。
にんじんの皮のおふとんに一緒にくるまって、
「おやすみやさーい」。
そらまめちゃんやブロッコリーちゃん、いろんな野菜が、それぞれにぴったりの素敵な寝床で、
「おやすみやさーい」。
一番最後は、みーんなママにぴったりくっついて、幸せなおやすみ姿。
たとえ現実の寝かしつけがスムーズに行かなくても、この場面でひととき、ふんわりと幸せな眠気に包まれますよ(きっと)。
『おやすみやさい』は、食べ物が主役の絵本でおなじみの絵本作家、わたなべあやさんが描く「おやさい生活絵本」シリーズの一冊。
「ごめんなさい」の大切さを伝える『ごめんやさい』、おかたづけが楽しくなる『かたづけやさーい』、「ここでは静かに」のマナーを学ぶ『も・や・し~!』など、タイトルから愉快なものがたくさん。
「おやすみやさーい」「ごめんやさい」なんてかわいい言葉を、絵本を見ながら親子で一緒に唱えられるなんて、実は案外短い間。
家族の合言葉として言い合って楽しめる内に、ぜひ読んでみてくださいね。
疲れた大人も思わずふふっと、リラックス効果があるシリーズだと思います!
選書・文 原陽子さん
はらようこ/フリー編集者、JPIC読書アドバイザー。kodomoeでは連載「季節の絵本ノート」をはじめ主に絵本関連の記事を、MOEでは絵本作家インタビューなどを担当。3児の母。