子どもがどうしても野菜を食べてくれない……。そんなときは絵本の出番！ 野菜が出てくる絵本を読んで野菜のことをたくさん知れば、きっと苦手意識を克服できるはず。今回は、なかやみわさんの「やさいのがっこう 」シリーズに登場する野菜のキャラクターたちを紹介します。

なかやみわさんの
「やさいのがっこう」シリーズ

「やさいのがっこう」は、絵本作家なかやみわさんの「子どもたちに野菜をもっと好きになってほしい」という願いから生まれたシリーズ。いろんな野菜の子どもたちが通う「やさいのがっこう」では、おいしい野菜になるために、本を読んだり体操したりとみんなで毎日がんばっています。すくすく育って「つやよし！」「いろよし！」「かたちよし！」と３つの「よし！」がそろったら、八百屋のおじさんに「ごうかくシール」を貼ってもらってお店に旅立ちます。シリーズは現在３作で、すでに累計18万部を突破。親子でためになる食育情報を紹介する「食育しんぶん」もはさみこみでついています。

キャラクター①

赤くてまんまる、キュートな笑顔
とまとちゃん

元気いっぱいの女の子。まだ頭が青いけど、早く真っ赤になろうと一生懸命。そんなとまとちゃんにお友達もあの手この手で協力してくれますが、なすびせんせいの「おいしくなるまで、じっとまつことがたいせつ」という言葉を聞いて、あせらずその日を待つことに。

おいしい野菜に、なりたいな!
『やさいのがっこう
とまとちゃんのたびだち』
なかやみわ／作
白泉社　本体1200円＋税

早く立派に真っ赤になって、憧れの「ごうかくシール」をもらいたい、とまとちゃん。自分よりも先にお友達が「ごうかくシール」をもらって旅立つことになり、複雑ですが……。

キャラクター②

緑の体も、いつかカラフルに変身?
ピーマンくん

がっこうではいつも遅刻に居眠りと、マイペースな男の子。いつか見た黄色や赤の大きなピーマン(本当はパプリカ)の姿に憧れて、居眠り中も黄色と赤でいっぱいの夢を見ています。日光浴の時間もひとりでずっと居眠りし続けて、体がからからに乾いて危機一髪に!

のんびり屋さんの見る夢は……
『やさいのがっこう
ピーマンくんゆめをみる』
なかやみわ／作
白泉社　本体1200円＋税

やさいのがっこうでは、なすびせんせいがおいしい野菜になるための大切なお話をしてくれます。みんなはしっかりと聞いていますが、ピーマンくんはいつでも居眠りばかり。

キャラクター③

黄金色の長い髪がトレードマーク
とうもろこしちゃん

つやつや輝くロングヘアーは、顔も背中も覆うくらいにふさふさで、すぐに足をひっかけて転んでしまうのが悩みのタネ。邪魔なのでいっそ切ってしまおうとしますが、「そのかみのけが、いつかおいしいみになるのです」と、なすびせんせいに止められます。

困った悩みを友達が解決
『やさいのがっこう
とうもろこしちゃんのながいかみ』
なかやみわ／作　白泉社　本体1200円＋税

やさいのがっこうにやってきた、転校生のとうもろこしちゃん。長い髪があまりに不便で泣いていたら、友達のみんなが毎日いろんな髪型に結ってくれるようになりました。

Miwa Nakaya
なかやみわ／1971年埼玉県生まれ。女子美術短期大学卒業後、キャラクターデザイナーの仕事を経て絵本作家になる。「そらまめくん」(福音館書店、小学館)「くれよんのくろくん」（童心社）など人気シリーズ作品多数。

次回は、元気な野菜と友達になっちゃおう！【野菜に親しむ絵本・2】です。

撮影／岡森大輔、布川航太（なかやみわさん）　編集協力／原陽子（JPIC読書アドバイザー）