受ける?受けない?インフルエンザ予防接種について聞きました
インフルエンザでの学級閉鎖もニュースで流れだすこの時期。子どもが予防接種を受けるかどうかを悩むママも多いのではないでしょうか。川崎市廣津医院の廣津先生は「ぜひ家族全員で受けてください」と話します。
いつ頃受ける? 小さい子どもが打っても大丈夫? など、インフルエンザの予防接種に関する疑問にお答えいただきました。
主治医に相談して予定を立て予防接種は毎年受けましょう
子どもがまだ小さいと副作用も心配だし、予防接種を受けてもインフルエンザにかかる場合もあったり、2回目をいつ受けるか調整しているうちにすでに流行が始まってタイミングを逃してしまう……なんてことも多いよう。
「小さい子は免疫力が低いため、予防接種を1回受けただけでは免疫が上がりません。必ず2回受ける必要があります。副作用はほとんど心配しなくて大丈夫。受けたほうが発症した際の重症化のリスクは確実に低くなるので、ぜひ家族全員で受けてください」と廣津先生。
――受けたけど、かかったなんて話もよく聞きますが?
「ワクチンを受けて完全に感染を防げるわけではありません。免疫力には個人差がありますし、インフルエンザウイルスは程度はさまざまですが毎年変異します。したがって有効率も年によって80%のときや40%のときもあります。しかし、受けることによってかかるリスクは確実に減りますし、重症化も避けられます。昨年かかったから受けないという判断は、避けてください。家庭内感染を防ぐという意味でも、毎年受けることが大切です」
――どのタイミングで受けるのがベストなのでしょうか。
「本来ならば1回目を10月中に、2回目を4週間後の11月中に終えるというスケジュールがベストですが、もちろん11月スタートでもかまいません。12月中ごろから始まる本格的な流行の前に備えられれば大丈夫。もし3月まで流行が続いても、11月に受けていれば、きちんと効果があります。また、お父さんがウイルスを家の外から持ち込み、家族に拡げることが多いという調査結果もあります。ぜひお父さんも含めて家族全員で受け、チームワークで子どもを重症化から守ってあげるという意識が大切ですよ」
インフルエンザ
予防接種Q&A
接種してもかかってしまうことが
あるのはなぜ?
免疫のつき方には
個人差があります
免疫のつき方に個人差が大きいからです。特に子どもの場合、免疫力が弱く、ワクチンを打ってもなかなか免疫がつきにくいことがあります。2回接種にしているのもそのため。1回ではあまり効果が得られないので、予防接種は必ず2回受けましょう。
他の予防接種と接種時期の
調整が難しいです
優先すべき予防接種は
お医者さんに聞こう
かかりつけ医に相談してください。どの予防接種を優先すべきか教えてくれますし、スケジュールもたててくれます。インフルエンザに対しては、まず接種することを前提に、他のワクチンをどう組み込んでいくかを考えてくれるはずです。
インフルエンザの予防接種は
なぜ毎年受けないといけないの?
インフルエンザウイルスは
毎年少しずつ変化しています
インフルエンザウイルスは、免疫学的には毎年違ったウイルスに変わっています。インフルエンザワクチンもその変化に合わせて違ったワクチンを作っていますので、毎年打つ必要があるのです。
小さい子が接種しても
副作用はないの?
あってもほんの少し!
心配はいりません
予防接種を受けたほうの腕が少し赤くなったり、腫れたりすることがあるかもしれませんが、それも数日でひくでしょう。重篤な副作用はないものと考えて大丈夫です。卵アレルギーのある子は、主治医に相談しましょう。
廣津伸夫先生
ひろつのぶお/川崎市にある廣津医院 院長。日本臨床内科医会 インフルエンザ研究班副班長を経て、現在は日本感染症学会 インフルエンザ委員会のメンバーとして感染症・インフルエンザの研究に携わる。