2025年10月27日

もっと知りたい多様性のこと。伝えるのが難しいときには、一緒に絵本を読んでみよう【最新号からちょっと見せ】

「子どもの権利」の考え方は、子どもたちが、そして私たちが自分らしく生きるためにどうしたらいいのか、そのヒントになってくれます。今回ウェブでは、子どもの人権において、尊重されるべき多様性の話題。保護者が迷いがちなテーマについて、子どもの権利が専門分野の長瀬正子先生に聞きました。

伝えるのが難しいときには、
一緒に絵本を読んでみよう

子どもの数だけある多様性。個性や特性、好み、ジェンダーなど、尊重したいと思っていても、答え方に困ることもあります。
「『えっ』と思ってしまうような意見でも、子どもがどんな思いで言っているのかな? とその表現をまずは受け止めてみましょう」

とはいえ、学校や園で「椅子に座っているのがイヤ」とか、男の子から「ピンクのランドセルが欲しい」などと言われたら、心配が先に立ち、子どもの意見をなかなか受け入れられないことも……。

「保護者の思いも大切にしながら、一緒に考えよう、と随時メッセージを出し続けてあげてください。一方で、子どもも保護者もひとりひとり異なる人間なので、境界線が大切です。お子さんを思って『あなたが心配だよ』と制限をかけてしまいがちですが、リスクも共有したうえで、子ども自身がどうしたいかを大切にし、失敗も含めて経験と受け止めていきましょう。

伝えるのが難しいときには、一緒に絵本を読んでみるのがおすすめです。絵本のストーリーが、子どもだけでなく、きっと大人も包み込んでくれるはず。例えば、ジェンダーが話題にあがったら、『ジュリアンはマーメイド』(P38)などを読んでみては? 自分の中にない感覚と新しい視点をくれると思います。

子どもがどんな困難に遭うかは、子どもも保護者も選べません。しかし、困難に出合ったときに、身近な大人が味方でいてくれたら、大きな助けになります」

「あなたに何があってもそばにいるよ」「どうしたらいいか、一緒に考えよう」。そんな風に伝えながら、子どもがありのまま過ごせるよう、寄り添っていきたいですね。

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ひとりでいるのがおちつくの

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せのじゅんにならぶといつもいちばんまえ

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いつでもとんだりはしったりしているよ

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おかあさんががいこくじんなの

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ぼくはあかやピンクがだいすき

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わたしはクールなファッションがおきにいり!

教えてくれたのは
長瀬正子先生
ながせまさこ/佛教大学社会福祉学部准教授。児童福祉・社会的養護、子どもの権利が専門分野。中学生の子どもの親。子どもと大人に子どもの権利の視点を広める活動「子どもの権利・きもちプロジェクト」代表。子どもと家族の小さな図書館「ちいさなとびら」を運営している。
chisanatobira.exblog.jp

INFORMATION

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もっと知りたい方はこの絵本
『ようこそ こどものけんりのほん』
えがしらみちこ/絵 子どもの権利・きもち
プロジェクト/文 白泉社 1430円
「子どもの権利」について、大人も子どもも一緒にやさしく学べる絵本です。カバー裏面は、知っておきたい「子どもの権利条約」のポスターになっています。

イラスト/えがしらみちこ 編集協力/山縣彩(kodomoe2025年10月号掲載)

kodomoe10月号、巻頭大特集は「自分も相手も、大事にしたい。せいのはなしは、いつするの?」好評発売中です!

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