2025年7月19日

3児のママ横澤夏子さん「朝9時にはもう暑い!」。「外で遊べない夏」私たちにナニができる!?

いよいよ夏休み! 子どもたちの元気な声が、あちこちから聞こえてくる……はずが、「外、暑すぎて無理じゃない!?」という声が聞こえてきそう。今年もまた暑すぎて「外で遊べない夏」がやってきたのかもしれません。
そんな中、3児のママでもあるお笑い芸人・横澤夏子さんと、公衆衛生と気候変動の専門家が登壇するイベントが開催されました。「夏の外遊び、みんなどうしてる?」「地球温暖化。個人でできることって、正直何かある?」「外遊びができないと、子どもにどんな影響が出るの?」などなど、ママパパが気になる夏にまつわるギモンがテーマです!

ずばり、夏はどうやって
子どもと遊ぶ?

イベント冒頭、横澤さんは、3人のお子さんとの夏のリアルな日常から、専門家の方々に質問を投げかけます。

3児のママ横澤夏子さん「朝9時にはもう暑い!」。「外で遊べない夏」私たちにナニができる!?の画像1

左)横澤夏子さん、中央)調査監修/東京科学大学 未来社会創成研究院 藤原武男先生、右)アドバイザー/東京大学 未来ビジョン研究センター 江守正多先生

横澤夏子さん(以下、横澤さん) 朝9時にはもう暑すぎて公園には行けないですよね。だからうちは早めに行くんですが、それでもすべり台が熱すぎて! 手の甲ですべり台を触って温度確認するんですが、やけどするくらい。危ないので、もう公園は退散だ……と。最近ではプラネタリウムや屋内のあそび場ばかり探しています。

先生、ずばり、夏はどうやって子どもと遊べばいいですか?

先生 子どもは、自分で気づけないので症状が出たらもう熱中症です。やはり大人がしっかり管理してあげることが大切ですね。
横澤さんが実践されているように、一番は時間帯に気をつけることです。でも暑すぎて、日中の外遊びはもう難しいですよね。

もうひとつは、気温にどうしても注意が行きますが、湿度にぜひ注意して欲しいです。
曇りで、「今日は行けるかも!」と思いがちですが、実は湿度が高いと熱中症のリスクが高まることがあります。

横澤さん 湿度は不快感があるな~くらいで、曇りだったら日は差してないから大丈夫だと思っていました。湿度にも気をつけなきゃいけないですね。

3児のママ横澤夏子さん「朝9時にはもう暑い!」。「外で遊べない夏」私たちにナニができる!?の画像2

約8割のママが
「この暑さは異常だ!」と感じる結果に

2024年の記録的な猛暑について、アンケートでは約8割の親が「異常だった」と感じていて、さらに9割の親がその原因を「温暖化の影響」だととらえていることが分かりました。

横澤さん 私も毎日毎日、異常を感じています。子どもの保育園から「今日は暑すぎてプールあそびできませんでした」という連絡が来るのですが、私が子どもの頃は「プールの水が冷たくて入れない」ということがあっても、気温が高すぎてということはなかったので、やっぱり異常な気候なんだなと感じます。先生、この異常な暑さは温暖化のせいなんですか?

先生 温暖化のせいがある程度あります。
都市によってはヒートアイランドのせいもあったり、緑が少なくなったりという理由もありますが、少なくとも、去年や今年のような高温の記録は人間活動による地球温暖化がなければ起こりえなかった、ということが科学的に分析されて証明されています。30年前に比べてもこんな記録というのは考えられないですね。

30年前といえば、ちょうど横澤さんの子どもの頃ですが……。

横澤さん 私は糸魚川という地域なんですが、海で翡翠(ひすい)という宝石をひたすら探してました。ある日、見つけた翡翠がいくらになるか聞いたところ、「1000円です」って言われたことがあって、それがすごくうれしくて! 万が一なにかあったら、この石を売って1000円にしようと思って、大切にトイレに飾ってました。
そんな楽しい海での遊びも、先日帰省したときには、熱くて砂浜も石の上もはだしでは歩けないほどで。危険を感じました。「こんなに石、熱くなかったんだけどな~」と。

先生 新潟はフェーン現象が起きるので、暑くなるんですが、最近の温暖化が加わることで、昔は経験されていなかった暑さを感じられるのだと思います。

子どもの外遊びの重要性

暑さのせいで減っている子どもの外遊び。子どもたちの成長にとって、外遊びはどのくらい重要なのでしょうか?

先生 外遊びの重要性は「身体の面」と「心の面」にわけて考えられるのですが、まずは身体の面で重要なこと3つをお話すると……。

ひとつめは、事故を防ぐことにつながることです。
外で遊ぶことは(自然があったり人工物があったり)とても複雑です。可能性の広さは屋内での遊びとは違います。どこまでやると危険かそうじゃないかを身につけられて事故を防ぐ力がつくと言えます。
実は、重大な事故を除いて、子どもの事故のほとんどは家の中で起こっています。そういった意味でも子どもの外遊びは事故を防ぐことにもつながっていると言えます。

もうひとつは、太陽光が非常に目にいいということ。近視の予防につながっています。

そしてもうひとつはっきりしているのは、肥満にならないということです。

横澤さん えーーーー!

先生 屋内でも、体育館や児童館などがありますが、動きは限定的になるのだと思います。肥満予防には活動量が多くなる外遊びがよいですね。

次に心の面ですが、問題行動が減るというのははっきりしています。ケンカや言葉遣いなど、外遊びによって、ストレス発散の機序があるようです。

もうひとつは、間接的ですが、外遊びしない時間は他の何かで埋められることになります。それが、動画視聴だったりゲームだったりするということは子どもの発達において問題があると言われています。
研究によっては短時間ならよいという結果もありますが、長時間の動画・ゲームは子どもの心の発達によくないという研究が出ています。

横澤さん やっぱり外遊びって大事なんですね。こんなに性格をも変えてしまうことに影響するなんて。のびのび遊ぶことは成長にとって大事だと思うと外でやはり遊ばせたいですね。これが暑さでできないのは悔しいです。

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地球温暖化
私たちにできることってナニ?

温暖化対策、個人レベルでできること、私たちにできることって何ですか?

横澤さん やった方がいいって言われていることはけっこうやっていると思います。エコバッグを持つとか、箸やスプーンはいりませんと言うとか、エアコンの設定を28度以上にするとか。でもこれって本当に温暖化対策に繋がっているんですか?

先生 繋がっています! 今やっていることはぜひ続けてください。
温暖化対策というと、「ガマンしなきゃいけない」「不便になる」というイメージがあるので、個人でもまだまだやっていない人は多いと思います。

社会の仕組みが変化しないといけない今、私たちには後押しや応援ができると思います。メディアや個人でのSNSでの発信もとても重要になってきます。対策を進めている企業から製品を買うなどもよいでしょう。
そうやって社会の仕組みが変わるんだと意識して、いろんな選択することが個人でできることでしょうね。

横澤さん 発信することは大事ですね。友達どうしで話すことや、親子で話すことも大事だなと思いました。

温暖化がテーマの絵本とかも出ていて、身近なことになってきているので、自分で大きな社会を変えていくんだという意思を持って親子でも話していきたいなと思います。

【調査概要】
名称:夏の暑さによる子どもの外遊びの変化に関する実態調査
調査対象:3~9際の子どもを持つ親
調査対象:全国
調査期間:2025年6月20日~23日
調査方法:インターネット調査
有効回答数:800名 ※スクリーニング調査対象:16588名
調査主体:医師たちの気候変動啓発プロジェクト および 東京科学大学 未来社会創成研究院

撮影・文/kodomoe編集部

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