意地悪されてもその友達と遊びたい息子。見守るべき? 距離を取らせるべき? 4~5歳の「友達トラブル」ケーススタディ
2025年7月28日

意地悪されてもその友達と遊びたい息子。見守るべき? 距離を取らせるべき? 4~5歳の「友達トラブル」ケーススタディ

乱暴した・された、仲間はずれにした・された……。子どもの人間関係が広がるにつれ、友達トラブルも増えるもの。親はどう関わる? どう声をかける? 子どもの健やかな成長をサポートするためのポイントを押さえておきましょう。
kodomoe読者から寄せられた実際のトラブルやお悩みに、上町しぜんの国保育園・園長の青山 誠さんが、豊富な経験からアドバイス&アンサーします!

友達トラブル
考え方・対応のポイント

ママの気持ちと子どもの
気持ちは分けて考えよう

親がトラブルと感じたとしても、本人はそう感じていない場合も。親が納得したい気持ちと、子どもがどうしたいかは分けて考えて。

子どもの気持ちを否定せず
まずは共感を

子どもが生き生きと育つには、感情を否定されないことが大事。「イヤ」「ダメ」もその子の素直な気持ちなので、尊重してあげたい。

噛む、たたく=乱暴と
とらえないで

大人からしたら「乱暴」と見える行動も、子どもにとっては言葉ではまだ表せない思いの表現であることも。

意地悪されてもその友達と遊びたい息子。見守るべき? 距離を取らせるべき? 4~5歳の「友達トラブル」ケーススタディの画像1

友達トラブル
CASE STUDY 4~5歳 編

Q.6歳のころ、家に遊びに来た友達がおもちゃを持って帰ってしまい、相手のママが謝りに来て発覚。
娘には「人の物を勝手に持って帰るのはどろぼうと同じ」と話しましたが、どろぼうに例えないほうがよかった? (くまむさん/7歳女の子ママ)

A.お互いを傷つけないよう相手の気持ちを考えた言葉で

「わが子がやった方であれば、強い言葉を使って注意するのもアリですが、友達を『どろぼう』と指すと、わが子の友達への見方が否定的な印象で固まってしまいます。相手のママとコミュニケーションは取りつつ、わが子には『あなたのおもちゃが素敵に見えちゃったんだね』のような言い方がいいかもしれませんね」

Q.意地悪をされてもその友達と遊びたい息子。
見守るべきか距離を取らせるべきか。(なさみさん/6歳男の子ママ)

A.無理に引き離すことはせず気持ちを確認して見守って

「その友達に魅力を感じているのですね。『ママは気になるけど、あなたは大丈夫?』と、自分の思いを伝えつつ本人の気持ちを聞いてあげることが第一。本人にも分からない場合は、すぐ介入しようとせず、しばらく見守りましょう」

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Q.友達と遊ぶよりも1人で集中して好きなことをやりたがるタイプ。
コミュニケーション不足ではと心配で。(みかんさん/5歳男の子ママ)

A.コミュニケーションの方法はいろいろあっていい

「5歳ごろになると、遊びの好みがハッキリしてきます。ひとりで何かするのが好きならそれを尊重してあげましょう。『みんなとワイワイ仲良く』でなくても、この子なりのやり方でまわりとコミュニケーションを取っているはずですし、いずれ同じ興味関心を持つ子と穏やかで強いつながりができていきます」

Q.娘が同じグループの中の1人の子と遊びたくないと。
仲間外れをしないようにさせるには、どう伝えたらいいでしょうか?(sachiさん/6歳女の子ママ)

A.やってはいけないと伝えて本人なりの理由を聞いてあげて

「特定の子をいつも外すなら、人としてやってはいけないことなので、きっぱり注意していいと思います。ただし苦手な理由はきちんと聞いてあげて。保育の場面なら、鬼ごっこなどの集団遊びを投げかけ、いつもと違うメンバーで遊ぶ機会を増やし、固定化した人間関係をほぐしていきます」

Q.娘は相手に謝らせるまで気がすまないタイプ。
親から見て「お互い様」という場合は、どう気持ちを収めさせたらいいでしょうか?(スコーンさん/6歳女の子ママ)

A.一緒に考えてあげるうちに気持ちを収められるように

「一方は謝らせたい、もう一方は謝りたくない……。保育の中でもよくある状況です。すぐに解決は難しいので、わが子には『(相手は)謝りたくないんだって。困ったね』と共感を。一緒にあれこれ考えたり悩んだりしているうちに、子ども自身が解決策を見つけたり、気持ちが落ち着いてくることもあります」

Q. 意見の強い子に依存しがちな娘。自分の意見も強く持って欲しいと思うのですが。(チョコ大豆さん/6歳女の子ママ)

A. 本人的に何かしらメリットが。そのまま見守って

「リーダー的な子についていく方が楽しい、自分では思いつかない遊びのアイディアで楽しめる、などその子なりのメリットがあるのだと思います。本人が今の状態がいいと思っているなら、親が『もっと自分を出して!』などと言わなくても大丈夫です」

Q.いつも決まった仲良しの子としか遊びません。このままで大丈夫?(みぃさん/9歳男の子ママ)

A.「ないものねだり」より今の子どもの姿を喜んで

「そこまで気が合って、安心して遊べる友達がいるのですね。親はつい“ないものねだり”をしがちですが、仲良く遊べる子がいるということを喜びましょう」

教えてくれたのは
青山誠さん
あおやままこと/上町しぜんの国保育園(東京都世田谷区)園長。「りんごの木」の柴田愛子さんとの共著をはじめとする執筆や、講演の他、大学講師としても活躍。子どもを主体にした保育を実践中。

イラスト/藤田マサトシ(kodomoe2022年6月号掲載)

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