赤ちゃんの貧血対策には早いうちから〇〇を与えるのが◎! 発達に大きく影響する「子どもの貧血」とは
貧血は、疲れやすさなど体の症状だけでなく、心の状態をも左右するのを知っていますか? また、子どもの貧血は発達に大きく影響します。
意外と見落とされやすい子どもの貧血。脳の成長にも関わるので、注意が必要です。教えてくれるのは、小児科医の伊藤明子先生です。
成長が加速する時期に
特に貧血になりやすい
「子どもは貧血と無縁と思えるかもしれませんが、そうではありません。お腹の赤ちゃんはママから栄養をもらうため、ママが貧血だと当然赤ちゃんも貧血の状態で生まれてきます。そして生後は、6か月、9か月、12か月、3歳とグッと成長が加速するタイミングに血中の栄養素をたくさん使うため、さらに貧血に陥りやすくなります。
子どもの貧血は、息切れや疲労など目に見える症状として出にくいため、気づきにくいものです。でも、心身の発達が著しい幼児期に鉄を始めとした栄養素が不足すると、体の成長はもちろんですが、情緒や学力の発達にも影響が出るとも言われています。ぜひママの食事と一緒に、子どもの食事内容も見直してあげましょう」
“赤ちゃん”の貧血対策
動物性たんぱく質は
早い時期から与えるのが◎
「生後5~6か月で離乳食が始まったら卵や魚など動物性たんぱく質で必要な栄養素をしっかり摂らせましょう。以前はアレルギー予防で動物性たんぱく質を与える時期をできるだけ遅らせる、という考えがありましたが、最新の研究では、早くから与えることがアレルギー予防になることが分かっています」
1日に必要なたんぱく質の量は……
1~2歳 15g
3~5歳 20g
6~7歳 25g
→ ×2倍を目指したい!
「国のたんぱく質摂取量の指標は、病気にならないギリギリのライン。より健やかな成長を考えたら、この倍が理想です。ただ大人と同様、食べ物から必要十分量を摂るのは難しいので、サプリを活用するのもおすすめ」
教えてくれたのは
伊藤明子先生
いとうみつこ/小児科医、公衆衛生の専門医。赤坂ファミリークリニック院長。食事・栄養療法に詳しく、著書に『医師が教える 子どもの食事 50の基本 脳と体に「最高の食べ方」「最悪の食べ方」』(ダイヤモンド社)などがある。
イラスト/山田美津子(kodomoe2023年8月号掲載)