入園・入学前に子どもを仕上げる必要はなし！ 子どもの心が安定する言葉がけとは？

4月から新しい環境で過ごすわが子のことを思うと、喜び半分、不安も半分。つい「できない！」ところに目が行きがちなママパパたちのあるあるなお悩みに、保育の専門家・井桁容子さんがアドバイス！

入園·入学前に子どもを
仕上げる必要はなし！

「初めにお伝えしたいのは、園や学校は、おうちで子どもを仕上げてから行く場所ではない、ということです。入園·入学時は、子どもたちの発達進度もバラバラで、多様な状況です。先生方はそれをわかっているので、不安があれば相談すれば大丈夫。家だとできないことも、園で他の子と一緒だとできちゃう場合だってあるんですよ」（井桁先生）

発達の遅れを感じて、不安になる親御さんもいます。
「3～5歳頃から、発達の遅れははっきりし始めます。ただ、『みんなと同じことができないから、困った子』、ではないんです。できないことで『本人が困っている』なら、周りがサポートする必要があるんです。言葉で理解しにくい子には、絵に描いて伝えるなど、その子の『困った』に寄り添ってあげるためには、専門家に頼ることも大事。
発達の問題に限らず、これからは多様性の時代です。『みんなと同じ』を目指すのではなく、その子が『ありのままの自分で幸せ』でいられるように、お子さんの味方でいてあげてくださいね。いい子じゃなくても、どんな自分でも、親は丸ごと受け入れてくれるという安心感があれば、困ったときやできないときに、親や先生など他の大人に、ちゃんと助けを求められる子になるんです」

この言葉がけで子どもの心が安定する！

園や学校は「いい子じゃないとダメ」な場所ではなく、楽しいことに出会えて、困ったときは助けてくれる大人がいる場所、と伝えましょう。

入学前

×　「先生の言うことをちゃんと聞くのよ！」
◎　「困ったときは、先生に助けてって言おうね」

入園前

×　「〇〇できないと、幼稚園に行けないよ！」
◎　「幼稚園でどんなことするのかな？　楽しみだね！」

イラスト／きどふみか（kodomoe2023年2月号掲載）