2020年1月27日

なぜ0歳からはじめるといいの? しちだ・教育研究所の専務取締役・七田一成さんにうかがいました

「七田式教育」は日本の幼児教育と右脳教育の第一人者、七田眞(しちだ・まこと)さんが生み出した独自の教育法。現在では世界19の国と地域で実践され、累計で約100万人に学ばれています。「認めてほめて愛して育てる」がキーワードの“脳と心の教育”を掲げている「七田式教育」について、 (株)しちだ・教育研究所の専務取締役・七田一成(しちだ・いっせい)さんにお話をうかがいました。

年齢が低ければ低いほど吸収力があるということが
脳科学の分野では証明されはじめています

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――まず、七田式教育の特徴について教えていただけますか?

七田式教育の考え方のベースになっているのは「子どもは無限の才能を持って生まれてくる」「生まれてくるときはみんな天才」ということです。 子どもの脳には、驚異的な可能性と吸収性があり、その能力は年齢が低いときほど大きい、ということに着目し、0歳から始めることをおすすめしています。

――0歳から教室に通わせるというのはちょっと早すぎるのでは、というイメージもありますが……

少し前までは、勉強は小学校に入ってからでいいという考え方があったかと思いますが、最近の脳科学や心理学の分野では、年齢が低ければ低いほど脳の吸収力がある、ということが証明されはじめています。

たとえば言語の理解を考えたときに、大人が現地の言葉を知らない外国に3年くらいポンと出されたとして、そこで生活しているだけで完全にしゃべれるようになるのは難しい。いっぽうで、赤ちゃんは周囲の大人の会話を聞いているだけで、言葉を覚えるだけではなく、感情も読み取れるようになりますし、自分の言いたいことを自然に言えるようになる。それはすごいことですよね。さらに低年齢の子どもは吸収力だけでなく、好奇心も旺盛、本能的に「学びたい」という気持ちがあるんですね。

ただし、子どもの主体的な力を伸ばすには、愛情が大切です。「自分は愛されている」と感じることができれば、安心してものごとに挑戦できます。

「認めてほめて愛して育てる」というのは、七田式教育がとても大切にしている教育方針で、教室では子どもたちを認めてほめる、ということを第一に考えています。認めてほめることは、子どもたちの「うれしい、挑戦してみよう!」というチャレンジ精神や主体性を伸ばします。知識を与えるだけではなく、やってみたいという意欲から才能を引き出していくということを大切にしています。

最近「非認知能力」という言葉が話題になっているのですが、これはいわゆるIQのような知能とは別の、意欲やチャレンジ性、主体性や協調性など、数値ではかることができない力のこと。この能力は、子どもたちが将来、社会で求められる力として注目されていますが、教室内での先生の接し方やご両親の愛情の伝え方次第で伸びていくものと考えています。

――親子のかかわりのなかでも、愛情を伝える方法として、ほめるのが大切、ということは最近よく聞くことですが、子どもをほめたいと思っても、なかなかうまくいかない、難しいと考えるおかあさんも多いと思います。

そうですね。七田式教室では保護者の方も同室でレッスンに取り組んでいただき、こういうことでほめたらいいということを見ていただくようにしています。保護者が同室でない授業の場合は、レッスンの後に、それぞれのお子さんのいいところやほめ方について、具体的にお伝えするようにしています。

――授業では、フラッシュカードが特に印象的でした。あの高速スピードにはどんな意味があるんでしょうか。

こちらのカードは七田式オリジナルの教材で、どの教室でも使っているものです。大人から見ると「あんなに速いスピードで見せて大丈夫?」と思われるかもしれませんが、低年齢の子どもは集中すると脳に直接インプットされる。大人はまず情報を理解しようとしてしまうのですが、小さな子どもは理解できなくてもどんどん吸収するんですね。そうやって脳にインプットされたものが、言葉を話し出す3歳以降に、たまった水があふれるようにどんどん言葉として出てくるようになります。

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授業ではオリジナル教材のフラッシュカードが使われる。

低年齢の時期はアウトプットよりもインプットの量が多いので、お子さんが理解しているかどうか不安を感じるかもしれませんが、脳にインプットされていれば、そのときは理解していなくても、来たるべきときが来たらアウトプットされるものです。それが3歳で話し出すときに出るものもあれば、6歳になって書ける、言える、描けるという形で出るものもある。それ以降も、大人になるまでの過程でどんな形でアウトプットされるかはわかりません。

すぐに成果が出なくても、子どもの成長を信じて、今やっていることを認めてあげる。待つことが大切です。

――低年齢のお子さんにはインプットが中心になるようですが、就学前の5、6歳くらいのお子さんの授業では、何か特徴的なことはありますか?

「夢と志を育てる」という取り組みがあります。大きくなったら何になりたいか語らせるものですが、低年齢のころは「お医者さんになりたい」「コックさんになりたい」と言うだけだった子どもが、少し大きくなると、なぜその職業につきたいか、その職業についたときに誰に対して何ができるか、といった影響や先への見通しができるようになります。自分の存在意義や、自分が受けてきた愛情や知識をどうやって人や社会に還元できるかなどを考えられるようになるんですね。

「コックさんになりたい」の理由として、「おいしい料理を食べさせたい、多くの家族を笑顔にしたいから」など、小学校に上がる前にそんな考え方ができるようになる子どもたちに接すると、とても頼もしく思います。

七田式創始者である祖父から教えられた大切なこと

――七田さんは、 七田式創始者の七田眞さんのお孫さんということですが、ご自身は小さいときから七田式教育を受けられたのでしょうか。

そうですね。私は実験台的なところもあったかもしれませんが、正直、自分が低年齢のときの記憶はないので、教室でどんなことを教わったのか、はっきりは覚えていないんです。でも、これまで記憶力に関して苦労したことはありませんし、ものの理解も早いほう、人とのコミュニケーションでも苦労したことがなく友人たちに恵まれたと自負しているのは、自分が受けてきた七田式教育によるのかなと思います。ただ、大人になったとはいえ、まだまだ自分自身が成功か失敗かは、わからないところもありますよね(笑)。

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祖父の思い出としては、講演会でいつも全国を回っていて忙しく、数か月に1回くらいしか会えなかったのですが、中学3年生になるまで、会えば必ず「8秒間の抱きしめ」をしてくれました。「8秒間ぎゅっと抱きしめると愛情が伝わる」という七田式の子育ての考え方のひとつで、祖父に抱きしめられるということが中学生としては恥ずかしかったのですが(笑)、愛されているという安心感はずっとありました。大人になっても、そのことはよく覚えています。

七田一成(しちだ・いっせい)
株式会社しちだ・教育研究所 専務取締役
1991年島根県江津市生まれ。高校、大学時代にフランスへの留学経験があり、大学では経営学を専攻。幼少期から七田式教育で育ち、現在は、本部教室の講師としてレッスンを行い、国内外の講師への教務指導や教室サポート、さらには教材開発に携わっている。

七田式教室では、入室金無料、お試し入室のキャンペーンを実施中!

2020年3、4、5月中に入室開始された方は、入室金が無料、しちだっくのキーホルダーをプレゼント! また、2020年2、3、4月の期間中、1か月の月謝でお試し入室が可能です(レッスン回数は3~4回)。対象コースなど、キャンペーンの詳細は、七田式教育公式サイトまで https://www.shichida.co.jp/

撮影/森山祐子 取材・文/宮本博美

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