発達段階を知って事故を未然に防ぐ! 子どものヒヤリ・ハット対策 0歳児編
6~12か月 つかまり立ち~ハイハイの時期
・自分で動き回るようになる
・好奇心いっぱいで何にでも手を出す
・高いところにも手が届くように
ここに気をつけよう
手が届く範囲から危ないものを遠ざけよう
自分で動けるようになった赤ちゃんにとって、目に入るものすべてが興味を刺激します。何でも手で触り、口に入れて確かめるので、危険なものは手の届かない場所に置いて遠ざけるのが基本です。
この時期に多い事故
◎やけど
子どもの手の届く範囲に、飲み物のカップなど熱いものを置かないようにして。電気ケトルや加湿器などは、倒れてもお湯がこぼれないタイプのものを使うと、より安全です。
わが家のヒヤリ・ハット体験
温風の吹き出し口で手をやけど
ファンヒーターの吹き出し口に手を入れてしまいました。熱さに驚きすぐ手を引っ込めましたが、小さな水ぶくれに。それ以来ガードをつけました。(A.Oさん/5歳女の子ママ)
◎誤飲
手にしたものは必ず口に持っていきます。「誤飲しない子はいない」と言っても過言ではないので、日常的に注意が必要。直径4cm以下のものは口に入ります。低い位置に危険なものがないか、今一度家の中を確認しましょう。
※万が一誤飲してしまった場合
「日本中毒情報センター」
大阪☎072-727-2499 つくば☎029-852-9999
わが家のヒヤリ・ハット体験
落ちていた1円玉をモゴモゴ
ご機嫌で口をモゴモゴさせている娘がふと笑った瞬間、口の中に一円玉が見えて慌てて取り出した。飲み込まなくてよかった~!(Y.Yさん/8歳&4歳女の子ママ)
ペットボトルはラベルを外して渡すのが必須! ペットボトルの手づくりおもちゃで遊んでいたらラベルを誤飲。喉に詰まってオエっとなってしまった。奥まで手を入れ、取り除くのに手こずった。(Y.Sさん/3歳女の子ママ)
◎転倒によるケガ
よちよち歩きは転びやすく、家の中でも危険がいっぱい。家具の角にガードをつけたり、段差のある場所には柵をつけるなどの対策を。子どもの足元にモノがないように、片づけておくこともポイントです。
わが家のヒヤリ・ハット体験
柵のトビラを閉め忘れ転落で歯を折った
ハイハイのころ、階段上のベビーゲートを閉め忘れてしまったら、3段ほど転落。前歯が1本抜けてしまいました……。(Y.Cさん/7歳&4歳男の子ママ)
テレビ台の角に口をぶつけて出血
つかまり立ちの時期、テレビ台につかまっていたら足がガクッとなって口をぶつけ口内出血。障がい物を置き、テレビ台に近づけなくした。(Y.Uさん/6歳&3歳男の子ママ)
Column2 事故が起きたら… 情報を共有することが次の事故の予防につながります
子どもの事故を「親の責任」とするだけでは、事故は減りません。事故を分析し、それをもとに社会全体が予防策を取れるように、関係機関に報告し、共有しましょう。特定の製品がもとで事故が起きた場合も、そのメーカーに報告してください。
ここに報告
●消費者ホットライン ☎188
●国民生活センター 平日バックアップ相談 ☎03-3446-1623
●Safe Kids Japan http://safekidsjapan.org/contact/
教えてくれたのは
山中龍宏先生
やまなかたつひろ/緑園こどもクリニック院長。子どもの事故予防の啓発活動を行うNPO法人「Safe Kids Japan」理事長も務める。