2017年11月22日

幼児期からのプログラミング、子どもにどんな影響があるの?

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いま、幼児期からプログラミングの教室に通う子が急増しています。
小学校でのプログラミング必修化が決定し、将来AI(人工知能)が発達しても手に職をつけられるようにスキルを身につけさせてあげたい、といった親の願いもあるようです。
でも本当にうちの子に必要なの?役に立つの?と半信半疑の親御さんも少なくありません。
そこで、次世代幼児教育研究プロジェクトが、東京大学で開いた「プログラミング教育の最初の一歩 ~未就学児からの楽しい学びの作り方」というシンポジウムをのぞいてきました。

プログラミングの形は、デジタル画面だけじゃない!

ひとくちにプログラミングといっても、多種多様です。
自分の作ったプログラム通りにロボットを動かすもの、簡単なプログラムをパソコン上で動かしてゲームをつくるものなどがあり、やり方もおもちゃのように矢印を並べていくものもあれば、マウスで命令を組み合わせるものもあります。
幼児さんには複雑すぎる…と思われるかもしれませんが、保育園などでの導入事例も多く、おもちゃ感覚で使いこなしてしまうそうです。
今回シンポジウムで紹介されたのは、中でも代表的な3つ。

1.プリモトイズ キュベット
小さな木製ロボットに「前に進め」「右に曲がれ」の意味を持つパネルを並べることで指示を出し、ゴールまでたどりつかせるプログラミング玩具です。3歳から小学校低学年を対象として、教育機関に多く取り入れられています。デジタル画面を使わず、家族や友達と一緒に考えられます。
https://www.primotoys.jp/

2.Viscuit(ビスケット)
自分がパソコンで描いた絵などを、アニメーションやゲームのように動かすプログラムです。メガネ型の画面に絵をドラッグするだけで動かすことができ、速く動く、ふわふわ動くなどの複雑な指示を、言葉なしで感覚的に操作できます。
http://www.viscuit.com/

3.Ozobot(オゾボット)
紙やスマホ、タブレット上に描いた線に沿って、小さなロボットを動かします。光センサーによって線の色を判別するので、色々な線を組み合わせたプログラムを考えることで、ロボットを光らせたり、くるくる躍らせることができます。
https://www.ozobot.jp/

どれも、ちょっとしたおもちゃやゲームのような
見た目で、いまの子どもたちにまったく抵抗は
ありません。難しいプログラム言語を覚えて組み
合わせるのではなく、どれも子どもが感覚的に
指示を出すことができるのが特徴です。
キュベット開発者のフィリッポ・ヤコブ氏は、
はじめの講演で、プログラミングはあくまで楽しい
遊びの中で親しめるものであるべきと話してしました。
画面にかじりつくのではなく、なるべく体や手を使い、読み書きができない3歳~の子でも
できるものを開発したかったといいます。
幼児向けのものはストーリーが大事で、「ロボットをお城まで連れていこう!」というように、ただ動かせるだけでなく、目標達成やおもしろさアップのために動かしてみたい、という動機づけが大切に感じました。

プログラミング教育で「創り出す力」「チャレンジ精神」を学ぶ

その後は、学校でプログラミング教育を実践する教員や保育園園長、母親代表・父親代表の方々もまじえて、パネルディスカッションが行われました。
プログラミング教育で目指しているのは、システムを構築するためのスキルアップではありません。
常に変化を求められる世の中で、自分から学び、やりたいことのために何かを創り出す力をはぐくむために作った、と開発者さんたちは言います。
もっとおもしろくするためには、友達との会話も必要で、共同作業は一人ではできなかったことをできるようにしてくれる、とコミュニケーションの大切さも力説。
失敗しながらチャレンジする精神を、プログラミングから学んでほしい、と
皆さんで熱弁していました。

確かにいまの幼児のおもちゃは、何も考えなくてもできてしまう、便利なものが
多いように思います。
「頭を使うから面倒くさい」
「失敗するからやらない」
「問題があると逃げ出してしまう」
となってしまう前に、遊びの延長線上で課題を乗り越える体験ができるなら
悪くないと思います。
キュベットを導入した、しぜんの国保育園の斎藤さんの言葉が印象的でした。
「プログラミングは、より大きなことを実現するためのツールだと思います。実は木のぼりだって一種のプログラミングで、どこに足をかけるか、ひとつひとつ考えて積み重ねていくことで高いところまで登れるのです。夢を実現するためにプログラミングを学ぶと考えると、(その有用性も)見えてくるのではないでしょうか」

次世代幼児教育研究プロジェクト:https://www.e4t.jp/

シンポジウム登壇者:(左から)雨宮雄一氏(フォーセンス・パートナーズ株式会社 代表取締役パートナー)、原田康徳氏(Viscuit開発者)、石戸奈々子氏(NPO法人CANVAS理事長)、フィリッポ・ヤコブ氏(プリモトイズ キュベットの創始者)、荻野みどり氏(ブラウンシュガーファースト 代表)、齋藤紘良氏(しぜんの国保育園園長)、松田孝氏(小金井市立前原小学校 校長)、山脇智志氏(キャスタリア株式会社代表)、シルベスタ典子氏(キャンドルウィック代表)

 

取材・文=日下淳子(編集ライター/保育士)

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