
奥さんがいないとコンビニ弁当になるなんて不便。夫にも自分で食べたいものが作れる自由があったほうがいい【タベコト in Berlin・109】
ベルリン在住で6人の子どものお母さん。モデルとして活躍する傍ら「台所から子育て、暮らしを豊かに」をコンセプトに、オンライン講座とウェブサイトを主宰している日登美さんによる、「食」からはじまるエッセイです。
台所に立つ自由
ドイツではお父さんや男性も料理上手ということが多いような気がします。そもそも男が、とか女がとかそういう性別で物事を判断する話自体ナンセンスなので、料理をする男性が多くても当然といえば当然かもしれませんが。

夫が夕飯を作った日。買い出し中にあれ食べたい!と言い出したので作ってもらった。ワイン片手に料理するあたり余裕が伺える(笑)。
男だからピンクを着たら変だ、男だから台所に立つもんじゃない。そんなのはもうとっくの昔に終わった話。今の時代、みんなが性別関係なく、できることをして楽しくできたら良いよねと思うのです。
我が家ではジェンダーフリーの概念からではありませんが、子どもたちみんな台所に立つように育ててきました。いや、わざとそうしたわけではなく、気がついたらみんなが台所に立つようになっていた、という方が正しいかもしれません。それは私自身が台所に立つことが多く、そして子どもを巻き込んで食事を作ったり、おやつを作ることが多かったからだと思います。特別なことなんかしなくても、日々の暮らしの積み重ねから勝手に子どもが料理するようになるもんです。そしてむしろお母さんは大きくなったら子どもに任せて、何もしない、くらいの方がいいのです。切羽詰まれば、できない、なんてことはないのだから。

ラザニア食べたい! からの双子共同作業。ラザニアは作るのが大変だから、みんなが協力しがちなのも良い。難しい料理はみんなで作れば怖くない!

男子の料理は大胆、かつ豪快。ママのごはんとのメリハリがまた楽しい。
同じように我が家では、夫もよく台所に立ちます。一緒に美味しそうなものを見つけたら「あなた作ったら?」とサラッと言ってしまいます。食べたいものを作ってもらう喜びもあるでしょうが、自分で食べたいものが作れる自由というのもあります。私は後者の方も大事だと思うんです。
奥さんがいないとご飯はコンビニ弁当しか手段がないなんて不便じゃないですか。 そんなわけで、実は子育てだけでなく、台所で夫も育っていくのです。自分でできることが増えて 嬉しいのは子どもだけではありません。それにたまに別の人が台所に立つと、私自身新しい発見が あるのでマンネリ化しがちな自分の食卓に新しい風が吹いてくるので一石二鳥。互いに違うところを学びながら、台所から夫婦も育っていくのです。

ボーイズに大人気だった夫作、イタリアンパスタ。本当にとってもおいしかった! また作ってもらおう。

日登美/ひとみ
3男3女6児の母。10代よりファッションモデルとして雑誌、広告等で活躍。その後自身の子育てから学んだ、シュタイナー教育、マクロビオティック、ヨガなどを取り入れた自然な暮らしと子育てを提案した書籍、レシピ本など多数出版。現在はモデルとして活躍する傍ら、オーガニック、ナチュラル、ヘルシーをモットーに、食、暮らしと子育てのワークショップ、オンライン講座などを行う。
台所から子育て、暮らしを豊かに。「Mitte(ミッテ)」
instagram / @hitomihigashi_b
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