
果物の秋×読書の秋、まさにこの時季にぴったりの絵本「ぶどうおいしくなーれ」【親子の読み聞かせに。今日の絵本だより】
ちょうど今読むのにいいタイミングの絵本をおすすめするweb連載「親子の読み聞かせに。今日の絵本だより」。過去にご紹介した絵本の中からピックアップ。親子で一緒にこんな絵本はいかがですか。今回は、卒園シーズンに読みたいこちらの絵本をご紹介します。
ぶどうおいしくなーれ
『ぶどうおいしくなーれ』
矢野アケミ/作 大日本図書 1320円
ぶどうがおいしくなるおまじない、知ってる?
さあ、一緒に唱えてみよう。
「ぶどーる ぶどーる
おいしく な~れ~」
すると、皮の中から、ぽん!
と出てきたのは、まあるい……おだんご?
ぶどうじゃないけど、食べちゃおう、むちゃむちゃむちゃ。
では、改めて、もう一回。
「ぶどーる ぶどーる
おいしく な~れ~」
またまた、ぽん!
今度は……たこやき!
声に出してワクワクするおまじないと、「ええーっ!?」というサプライズ。
出てきた中身は違うけど、うん、おいしい、楽しい。
その繰り返しが心地よくて、これは「もういっかい!」必至の絵本ですね。
保育園や幼稚園での読み聞かせでも、きっともりあがるんだろうなあ、とニマニマ想像しちゃいます。
毎日忙しいと、絵本1冊読むのにも気力体力がいると思うのですが、これはそんなときにもきっと気軽に読めるはず。
「うちの子は絵本、あまり興味がないみたいで」「ゆっくり絵本を読む時間がなかなか……」というおうちにもおすすめです。
お気に入りになったら、食卓にぶどうがあるときに、
「ぶどーる ぶどーる
おいしく な~れ~」
と、親子で唱えてみるのも楽しそう。
果物の秋×読書の秋、まさにこの時季にぴったりの一冊です。
シリーズ既刊『バナナおいしくなーれ』『みかんおいしくなーれ』も、ぜひあわせてどうぞ。
選書・文
原陽子さん
はらようこ/フリー編集者、司書、JPIC読書アドバイザー。kodomoeでは連載「季節の絵本ノート」をはじめ主に絵本関連の記事を、MOEでは絵本作家インタビューなどを担当。3児の母。
※こちらの記事は2022年9月にweb掲載したものを再編集しています。