雨の日のおうち遊びに。味覚や触覚を刺激する「五感あそび」【おうちあそび図鑑・1】
子どもは、身近なものからいろんな楽しさを見つける天才! おうちの中や限られた素材でも、全力で遊び、学んでいます。よりよく生きるために必要ないわゆる「非認知能力」には、さまざまな力がありますが、主にあそびを通じて養われていく力を5つに分けました。今回は、その力が伸びる「おうちあそび『五感あそび』」をご紹介します。
※遊びが伸ばす5つの力とは? 【想像する力】【表現する力】【考える力】【創り出す力】【体をコントロールする力】。記事の後半で詳しく解説!
五感あそび
味覚や触覚などの五感は、刺激するほど発達。豊かな感性を育む土台となります。
「五感あそび」で伸びるのは……【考える力】【想像する力】【体をコントロールする力】
落ちたのな~んだ?
2歳~
●遊び方 本や厚紙などで隠れるようにおもちゃなどを持ち、机の30cmほど上から手を離して床に落とす。音がしないよう、下にクッションなどを敷いて。子どもは、本や厚紙と机の隙間から一瞬見える形から、落ちたものを当てる。
●POINT! 動くものを目で追う動体視力とともに、集中力や想像力も身に付きます。
お水のソムリエ
3歳~
●遊び方 ひとりに3つのコップを用意し、そのままの水、微量の砂糖を混ぜた水、微量の塩を混ぜた水をそれぞれ入れる。ひと口ずつ飲んで、中身を当てる。レモン汁やハチミツを少量入れて、当てっこしても◎
●POINT! 味覚が発達するだけでなく、味の違いを見分けようと、神経を集中する練習にもなります。
さわって当てっこ
2歳~
●遊び方 おもちゃや果物などさわって危険ではないものを1つ選び、見えないようにハンカチなどをかぶせる。子どもはハンカチの中に手を入れてさわり、手の感触だけで中身を当てる。
●POINT! 五感の中で、子どもが特に発達しているのが触覚。手指への刺激で、さらに感覚が研ぎ澄まされます。
穴からのぞいたら?
2歳~
●遊び方 厚紙に適当な大きさの穴を1つ開ける。動物や乗り物などの絵・写真の上に厚紙を置き、見える部分から、何が隠れているか当てる。わからないときは、穴の位置を動かしたり、違う大きさの穴を2~3個開けたりしてもOK。
●POINT! 一部分を見て全体の形を推し量り、自分が知っているものから、答えを導き出す作業は、観察力や思考力の訓練になります。
あそびが伸ばす
5つの力とは?
よりよく生きるために必要な、いわゆる「非認知能力」にはさまざまな力がありますが、主にあそびを通して養われていく力を、大きく5つに分けて解説します。
【想像する力】
想像する力が育つと、一部を見て全体を見通せるように。相手の気持ちや事情を推し量ったり、理解したりもできるようになるので、共感力が高くなり、よりよい人間関係が築きやすくなります。
【表現する力】
伝えたいことを、なんらかの形で表現する力があれば、自分の気持ちが伝わりやすくなります。社会を生きる上で大切な、人とのコミュニケーションも豊かになっていきます。
【考える力】
何かが起こっても、すぐに解決策を見つけられるのが、考える力のある人。どんな困難な場面でも、原因や問題点を探り、うまく対応し、自信を持って乗り越えていくことができます。
【創り出す力】
何もないところや限られた素材から、思い描いたものを自由自在に創り出せる。この力が備わっている人は、ひとつのテーマから無数の何かを創っていけるので、人生が彩りに満ちたものとなります。
【体をコントロールする力】
あそびを通して走力・跳力・筋力など、さまざまな身体能力がアップすることで、自分の体を思う通りに動かせるように。視力・聴力をはじめとするいわゆる五感も育まれ、研ぎ澄まされていきます。
教えてくれたのは
原坂一郎さん
はらさかいちろう/KANSAIこども研究所所長。23年間の保育所勤務を経て、こどもコンサルタントとして活躍。著書や監修書は『非認知能力が育つ 3~6歳児のあそび図鑑』(池田書店)など多数。
イラスト/いそのけい(kodomoe2021年6月号掲載)