2022年3月7日

リカちゃんやプラレールに驚きの工夫が!障害のある子もない子も一緒に遊べるおもちゃ。「共遊玩具」開発者・星川安之さんと対談【だいすけお兄さんのパパシュギョー!・7】

だいすけさんが、パパやママの代わりにさまざまなジャンルの専門家からお話を聞く「だいすけお兄さんのパパシュギョー!」が、本誌で好評連載中。
第7回のゲストは、タカラトミー (当時:トミー)で目や耳が不自由な子どもも一緒に遊べるおもちゃ「共遊玩具」を開発し、現在は誰もが使いやすい「共用品・共用サービス」の普及に努める星川安之さんです。
本誌だけでは伝えきれなかったお話を、webでご紹介します!

障害のあるなしで壁を作っていたのは、自分の方だった!

だいすけお兄さん(以下だいすけ) 僕は子どもたちに広く音楽の楽しさを届けたいと思っているんですが、たくさんの人たちに届ける作業って、なかなか難しいこともあって。エンターテインメントでもプロダクトでも、子ども分野ってまだまだニッチな世界。障害のある子どもたち向けとなると、さらにその分野の一部になるかと思います。
 星川さんはそういう子たちに寄り添ったおもちゃ、共遊玩具を作るために他の企業さんも巻き込んでいきましたが、その過程ではきっと大変なことも多かったのではないですか。

星川さん(以下星川) 世間的にはおそらく、順調ではなかったと思います。でも、最初に(当時トミーの)ライバル会社のバンダイさんが共遊玩具の開発に賛同してくれたのは、ものすごくうれしくて。
 そこから、各おもちゃメーカーのカタログを見て、「これは障害のある子も一緒に遊べる共遊玩具になりませんか?」とか、「こういう玩具もカタログに載せたらどうですか」という具合に、こちらから他社に乗り込んで提案したり。最初はそういうお節介なんかもしていました(笑)。

だいすけ なるほど。じゃあ最初は飛び込みで、いろんなことを理解してもらうために行動されていたんですね。

星川 そうですね。障害のあるお子さんの施設に行くときも同じで、拒否される懸念はあったんです。でも、ニコニコして飛び込んでいけば、わりとなんとかなって、いつもどんなおもちゃで遊んでいるかなど、いろんな話を聞かせてくれました。それが新しい玩具開発のアイディアにつながることもあったりしてですね。障害のある人との間に壁を作っていたのは自分の方だったということに気がついて、その壁を少しずつ崩していったんです。

だいすけ 僕もやっぱり、「子どもに歌を届けたい」というのがもともとの大きな原動力だったんですけど、親も楽しめないと子どもも楽しめない。「子どもだけに」って考えていたらダメだな、もっと広い視点でものごとを見よう、って思ったことがありました。

星川 大人がだいすけさんの歌でうれしくなったりハッピーになったり、それが子どもに伝わって。逆に子どもがだいすけさんの歌を好きだから、親も好きになることもありますよね。
 今回だいすけさんと対談することになって、まわりから「いいな」「うらやましい」と、たくさん言われました。お会いしたばかりですけれど、だいすけさんが「子どもが好き」っていうのが、言葉だけじゃなくて、にじみ出てきていますよね。それがテレビでも伝わっていて、だいすけさんのことが好きな子どもや大人がたくさんいることが、すごくよくわかりました。

だいすけ ああ、ありがとうございます!

リカちゃんやプラレールに驚きの工夫が! 障害のある子もない子も一緒に遊べるおもちゃがあるんです! だいすけお兄さんが「共遊玩具」開発者・星川安之さんと対談【だいすけお兄さんのパパシュギョー!・7】の画像1

「多様性」や「SDGs」といった言葉も後押しに

だいすけ 最近は「多様性」という言葉が浸透してきましたが、共遊玩具のようなおもちゃや商品にも、それ以前より変化がありましたか?

星川 最初は、障害の有無に関わらず一緒に遊べる玩具、共遊玩具の開発からスタートしたのですが、玩具以外の製品を開発する他の業界の人達も集まって、「じゃあ、どうすればみんなが一緒に使えるものが作れるのか?」と、日常でのいろんなものやことの「不便さ調査」を始めました。
 視覚に障害のある人300名、聴覚に障害のある人300名という具合に、1つの障害について300名以上の声を報告書にまとめていろんな企業に配ったところ、「あ、うちの商品だったらこうすればいいんだな」という改善点が、初めて公になったんです。そこからシャンプーのボトルのギザギザや、牛乳パックの切り欠きといった工夫が生まれました。
 CSR(Corporate Social Responsibility : 企業の社会的責任)だったり、今だったらSDGs(Sustainable Development Goals:持続可能な開発目標)だったり。最近よく聞かれるようになった言葉は、少しずつ意味が違っても、結局は同じことを言っていると思うんですね。
 つまり「みんなが楽しく暮らせるように、みんなで長いこと地球に暮らせるようにするには、どうしたらいいか」。
 バリアフリーにしてもユニバーサルデザインにしても同じこと。そうした言葉がひとつの後押しになってくれて、時代は少しずつ変わりつつあると思います。まだまだゴールにたどり着いている状態ではないとは思いますけどね。

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