『どうぶつしんちょうそくてい』【今日の絵本だより 第211回】
kodomoe本誌連載の「季節の絵本ノート」では、毎回2か月分のおすすめ絵本を15冊、ぎゅぎゅっとコンパクトにご紹介しています。
こちらのweb版では毎週、ちょうど今読むのにいいタイミングの絵本をおすすめしていきます。おやすみ前や週末に、親子で一緒にこんな絵本はいかがですか。
『どうぶつしんちょうそくてい』
聞かせ屋。けいたろう/文 高畠純/絵 アリス館 1430円
5月20日は、世界計量記念日。
1875年のこの日にメートル条約が欧米17カ国間で締結されたことから、締結125周年の2000年に、記念日として制定されました。
日本では1885年にメートル条約に加盟後も、長く尺貫法とメートル法の併用が続き、1921年から正式にメートル法を使用することが法律によって定められました。
それから今年で、ちょうど100年なんですね。
節目の記念日にちなんで、「はかる」がテーマの絵本、『どうぶつしんちょうそくてい』をご紹介します。
今日は、動物園の身長測定。
ゴリラの先生が、順番に並んだ動物たちの背の高さを計ります。
一番最初は、うさぎです。
おやおや、そんなに耳をぴんとのばしても、計るのは頭の先までですよ。
お次は、カンガルー。
「ちょっと!
ジャンプは しないでください。
ストップ! ストップ!
とまってくださーい。」
……カンガルーは、計れませんでした。
さてその次は、キリンの番。
でも、身長計より高いキリンの背、さあ、どうする?
園や学校で身体測定を行う季節におすすめの絵本なのですが、マイペースな動物たちのおかしな測定風景、本番で並んでいるときに思い出したら、ムズムズ、クスクスしちゃうかもしれませんね。
ちなみにシリーズ第二弾には、『どうぶつたいじゅうそくてい』が。
『どうぶつたいじゅうそくてい』
聞かせ屋。けいたろう/文 高畠純/絵 アリス館 1430円
『しんちょう』と『たいじゅう』は、ペアで続けて読むのがおすすめ。
一緒に読むことで、お話運びのそっくりなところ、違うところ、それぞれに際立って楽しいのです。
そしてどちらも、裏表紙まで続くお楽しみは必見です!
選書・文 原陽子さん
はらようこ/フリー編集者、JPIC読書アドバイザー。kodomoeでは連載「季節の絵本ノート」をはじめ主に絵本関連の記事を、MOEでは絵本作家インタビューなどを担当。3児の母。