デッキや玄関先で、七輪バーベキューを。我が家のStay Home【我が家のごはん日記/いづいさちこさんちの食卓・3】
忙しいママにとって、日々の家事の中で悩ましいのがごはんのこと。適度に手を抜きたいけれど、家族には栄養のあるものをバランスよく食べてもらいたい。では、食にかかわるお仕事をしているママたちは、家族のごはんをどうしているの?
今月の「我が家のごはん日記」をご担当いただくのは、料理教室「くにたちの食卓 いづい」を主宰する、料理家のいづいさちこさん。中学生の男の子、小4の男の子、小2の女の子のママです。今週はStay Homeのまま、ゴールデンウィークに突入です。
いづいさちこさんちの食卓 #week3
<月曜日・朝>
今朝はバタートースト。朝はみそ汁やスープなど具だくさん汁ものを添えることが多いです。みんなパンかと思いきや、僕はごはんがいい、そんな気まぐれも多々。なのでパンにもごはんにも合うスープが活躍します。
みそ汁を作るときに使う、厚削りがここでも大活躍。なべにたっぷりの水を入れ、取手付きざるをかけて、厚削りをひとつかみ。冷蔵庫をがさごそ、今日は玉ねぎににんじん、かぼちゃに、ソーセージを小さく切って、それからトマト水煮缶も適量、塩少々。
たいていはみそ汁やスープを仕込みながら身支度をととのえます。ほどなく、野菜とだしの香りに体が喜ぶ感覚。朝の、まだみんなが起きてくる前の、私のちょっとした大切なひとときなのかもしれません。
具だくさんスープがあればおかずはなくてもいいくらいです。あとはフルーツとヨーグルト、それから、あればぬか漬け。パンにもぬか漬け、お口直し感覚です。
早起きあり、ねぼすけあり、トースト気分の人あり、やっぱりごはん気分の人あり。だしのきいたスープの懐の深さに助けられます。
<水曜日・夜>
いつのまにかスタートした今年のゴールデンウィーク。Stay Homeながらも、楽しい時間もほしいもの。我が家では週末の夜などはときどき、デッキや玄関先で、七輪バーベキューをします。肉や魚介、野菜などをシンプルに焼くだけ、なのですが、やっぱり炭火で焼くおいしさは格別です。
定番は季節野菜のアヒージョ。今回はまだまだ食べ飽きないたけのこに、スナップえんどうやアスパラガスなど。
子どもたちの腹ごなしには、焼き芋、焼きおにぎりなどをよくします。今夜はこちらも定番の焼き餅。早く食べたい!コールが出るので、さすがに七輪ひとつでは回らず、デッキを眺めつつ、教室キッチンのコンロで、という裏技で。
それから買い出しで見つけたまぐろのカマに、ソーセージやサラミ、スペアリブなど。炭火を眺めながら静かなゴールデンウィークがスタートしました。
<木曜日・昼>
今日はフレンチトーストランチ。フレンチトースト、というと甘いイメージの方も多いかもしれませんが、甘さ控えめの卵液にすれば食事にもぴったり。
卵液に食パンを浸している間に、今日はたけのことアスパラガス、ベーコンを焼きます。そしてフライパンにオリーブ油を広げて、フレンチトーストを焼きます。
焼き上がりをお皿に並べたら、今度は目玉焼きを焼いて、お皿に添えます。野菜やベーコンも。ケチャップとマヨネーズを合わせたオーロラソースを添えて、できあがり。
目玉焼きの黄身をソース代わりに頬張るもよし。焼き立てのフレンチトーストにベーコンをのせて、ソテーした野菜をのせて、切り分けた目玉焼きをのせて、オーロラソースをつけて頬張れば、口の中に相性のよいおいしさの相乗効果。今日は夫以外、4人分のフレンチトーストが2枚の29cmフライパンにびっしり並びました。一度においしく作れるのはここまで。食べ盛りな我が家、お代わり分のフレンチトーストもあっという間になくなりました。
<金曜日・おやつ>
毎年この時期には子どもたちと焼く、こいのぼりクッキー。心地よい時期なので、ついつい旅行やお出かけ続きで、なかなかじっくりと端午の節句を満喫できないのが例年。が、今年はこれでもか、というくらいに満喫しなくては!
今年は下2人と一緒に作ります。いつものクッキー生地を3つにわけて、1つには抹茶を、1つにはココアパウダーを加えて混ぜます。丸める作業は泥だんごのテクニックでお手のもの、いつのまにかびっくりするくらい光沢ある、まんまる生地に!
麺棒で5㎜厚さに伸ばし、長方形にカットし、端を三角にカットします。カットしたあまり生地を丸めて、魚の目に見立てます。
胴体にフォークをさして模様をつければ、ずらりと並んだこいのぼり。
あとはオーブンで焼きます。最後に余った生地はお好きなかたちにどうぞ。この時間が一番楽しそうな子どもたち。毎年ながら、こいのぼりクッキーに、子どもたちの健やかな成長を願って。
<土曜日・夜>
我が家定番の夕ごはんはビビンパ。そぼろとナムルさえ作ってしまえば、あとはごはんにのせて焼くだけでできたてのおいしさを楽しむことができます。
今日はビビンパ大好き長男が担当。まずはそぼろ作り。そぼろ作りには我が家では行平鍋と泡立て器が登場します。ひき肉と調味料を入れたら、火にかけながら泡立て器でつぶし混ぜます。菜箸やへらなどよりもぐんと混ぜやすく、またほろほろとしたきめの細かいそぼろができます。ナムルも電子レンジだとあっという間。順番に加熱して、塩とごま油で薄味に。
あとは石鍋にお任せ。ごはんの上にそぼろやナムルを彩りよく並べて。コチュジャンだけだと子どもたちには辛いので、1つの石鍋は味噌、もう1つは味噌とコチュジャンをのせて。あとは食べながらお好みでコチュジャンを追加します。最近では1番下の娘まで、家族全員がコチュジャン好きで、みんなで追加です。
付け合わせには、まだまだ満喫中のたけのこは天ぷらに。今夜は近くで摘んできたよもぎの天ぷらも添えます。
それから、茶碗蒸しにも、蒸し上がる頃にたけのこの姫皮をのせて。
キムチにはぬか漬けを添えて。ぬか漬けにごま油をたらり、また魅惑的な美味しさです。火にかけて、おこげの香りが広がったら、卵を割り入れてテーブルへ。みんなで囲むと美味しさが増す、人気メニューです。
「くにたちの食卓 いづい」主宰。 静岡県生まれ。オーガニックレストラン、懐石料理店、 パン屋さん、料理教室のインストラクターなどさまざまな経験を生かし、 2004年夏より自宅にて料理教室を始める。 季節の料理教室やキッズ教室の開催、 カフェのメニュー開発、料理やお菓子の注文販売など。 著書に『箱詰めもてなしレシピ』、『箱詰めおやつの贈りもの』、『続けられるおべんとう』(ともに誠文堂新光社)、『箱詰め名人の持ちよりベストレシピ』(家の光協会)がある。 3児の母。
Instagram :@kunitachinoshokutaku_izui
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