子どものお絵かきや工作を、思い出と一緒に残す方法【ママカメラマンのスマホ写真術・9】
育児雑誌などで活躍中のママカメラマン、成田由香利さんによるスマホカメラの写真術。子どもを撮るときのアドバイスを教えていただきます!
学校や幼稚園などで作った作品を
しまってしまう前に、写真に残しましょう
みなさん、こんにちは。12月に入り、クリスマスに向かって子どもたちの気持ちも日に日に盛り上がっている時期ではないでしょうか? 我が家の息子たちも、サンタさんにお願いしたいものを悩みに悩んで手紙に書き、クリスマスの日を指折り数えて待っています。
今回は、園や学校の作品展や掲示を終え、冬休み前にたくさん持ち帰ってくる絵や工作物にまつわるお話をしたいと思います。 子どもたちの作品は、唯一無二の面白いものばかりですが、家の中に貼れるスペースは限りがあるし、かといって、さっさとしまってしまうのもなんだか後ろめたい。 そんな子どもたちの作品の活かし方をご紹介したいと思います。
園や学校から持って帰ってくる作品は、どんどんたまっていくもの。日々描いて持ち帰るお絵かきもたくさんありますよね。裏紙に描いたお絵かきでも、場合によってはとても思い入れの強いお絵かきだったり。そんなチラシの裏のお絵かきをぞんざいに扱ってしまい、子どもたちに指摘された記憶が私の中に蘇ります。 クローゼットに収納する前に、写真に撮っておくと、子どもたちの作品に対する気持ちも損なわず、パパやママも後ろめたい気持ちにならずに、作品を収納することができます。
作品を撮影するときのアイディアいろいろ
絵を撮影する時は、曲がらないように意識しながら壁に貼り、フレームの中いっぱいに絵が収まるように撮りましょう。そうすることで、写真の中の作品の形の歪みや曲がりを抑え、絵のディテールも綺麗に残すことができますよ。
大事そうにしている作品や賞状などは、お子さんに持ってもらい撮影しておくといいですよ。作品や賞状などを持って撮影する時は、作品に目がいくように、お家の中のシンプルな場所(壁の前など)に立ってもらったり、見通しのいい外で撮るのもおススメです。
また、お絵かきしたものの中で、描いているものが似通っている絵を集めて、集合写真をとっても面白いです。
我が家の場合、夏休みなどに描いた四つ切サイズの大きな絵がたくさんあり、壁にも貼りきれないのでファイルに挟んで収納していたのですが数がたまってきたので、先ほどお伝えしたような方法で絵を複写したものを、小さめにプリントし小さな額に入れて、壁に飾っています。子どもたちの絵は色が鮮やかで、使っている画材がクレヨンや絵の具など、優しいものなので、かわいらしく、お部屋が暖かい雰囲気になりますよ。
プリンタがお家にない方でも、スマホの中に写真があれば、コンビニなどでプリントできますので、お楽しみいただけると思います。発色がいいプリントになるように、スマホで撮った画像を明るく調整しておくといいです。 さらに、その写真をカラーコピーするとコントラストがつきビビットになるので、作品の存在感が増してくると思います。
工作などの立体のものも、一度収納してしまうと、なかなか再度押入れから取り出して飾ったり、装着したりする機会もないまま埃を被ってしまうので、工作そのものの写真と、それを手に持ったり装着した写真を一緒に撮って、お子さんのその年齢ならではの作品のユニークさを残しておきましょう。
レゴや粘土など、壊して収納しなければいけないものも、写真に残しておくと、お片づけもスムーズですよ。
子どもたちの創作物は、日々生活の中にあふれていて、管理が大変ですが、お部屋の彩りになり、ふとした瞬間に眺めて癒されたり……。大きいものは写真で小さくして、たくさん飾ると、成長もわかって親子で楽しむことができますし、何より、お子さんたちは、パパやママが作品を大事に扱ってくれることにとても喜び、自信にもなるのではないかなと思っています。
今週の一枚
今週の一枚は、4歳だった次男が、私の誕生日に保育園で書いてきてくれた手紙を撮ったものです。 当時まだひらがなが書けなかった次男は、クラスで一番文字を書けるお友だちに、自分が言う通りに書いてくれるように頼んで書いてもらったお手紙で、「『と』はぼくがかいたんだよ、すごいでしょ?」と得意げに話していたことを今も覚えています。
いつもは手のひらサイズになるまで折りに折り、小さくたたんで持ち帰ってくるお絵かきや落書きを、この時は、半分折りにだけして、大事そうに手に抱えていました。それをもらった時の感動と共に、お手紙の形状も残しておきたくて、そのままの状態をキープして家に持ち帰り、写真に撮りました。
「で」の発音を「れ」と言う次男のクセのままにザラバン紙に書かれた、半分折りのメッセージカード「おかあさんおめれとう」は、私の宝物です。
それではまた。
なりたゆかり/カメラマン。1980年生まれ。秋田県出身。大学在学中に写真にめざめ、夜間の写真学校に通い学ぶ。その後六本木スタジオ勤務を経て、回里純子氏に師事、2008年に独立。小学3年と1年の息子二人の母。主に雑誌の撮影で幅広く活動中。
Instagram @naritayukari_p