リカちゃんやプラレールに驚きの工夫が!障害のある子もない子も一緒に遊べるおもちゃ。「共遊玩具」開発者・星川安之さんと対談【だいすけお兄さんのパパシュギョー!・7】
おもちゃには時代が反映されている
だいすけ リカちゃんのおもちゃのシャンプーにもギザギザがついているのに驚きましたが、こういう細かいところにも、本当に時代が反映されているんですね。
星川 そう、プラレールの駅に点字ブロックやホームドアがついていたり、リカちゃんの小物のシャンプーにギザギザがついていたりするのって、ちっちゃなことかもしれないけど、すごく大きなことなんです。
世の中でこういうふうに配慮がなされてるよね、っていう例がおもちゃの世界に反映されている。もしかしたら逆もあって、おもちゃで配慮されていることが、現実の世の中に反映されていくことも、これから出てくるかもしれません。
互いの違いを受け入れ、認めてほめる
星川 今まで行ってきた「不便さ調査」ですが、それによって不便さがマイナスからゼロまでは改善されるんです。でも、ゼロからプラスになるには、不便さを指摘するだけでなく、「認める」こと、「ほめる」ことも大事。
「こういう道路はいいよね」とか、「こういう応対や説明がすごくよかった」とちゃんと相手に伝えて、それを社会の共有情報にしていくと、また違ってくる。
子育てでも「ダメ」って言うだけでなく、「いいね」って言う方が、きっとゼロからプラスになると思います。
だいすけ なるほど。不便さの調査から、そんなところにも行き着くわけですね。お互いを認め合うって、いいですね。
星川 お互いがお互いをほめる、認める、そこからまた次のことができてくる。子どもの世界からそういうことが行われるようになると、もっともっといろんなことが変わってくるんじゃないかな。だいすけさんのまわりの子どもたちはすでに、そういうことができているんじゃないかとも思います。
だいすけ 僕は前に、「うちの子どもは耳が聞こえないけど、だいすけさんの歌っている姿を見て、リズムを刻んで、歌を感じていました。それをすごく楽しんで、歌に興味を持ちました」っていうお手紙をもらったことがあるんです。
もう、涙が止まらないぐらいうれしくて。ああ、音楽っていうのは耳が聞こえない人にもちゃんと届くんだって、初めて感じることができたんです。なにかこう、届ける側が「聞こえる」「聞こえない」と勝手に線引きをしてもいけないんだなと。
以前よりも、お互いの違いを受け入れることが当たり前の社会になりつつある、それはすごく大きなことですよね。
共遊玩具について
www.takaratomy.co.jp/products/kyouyu/
プロフィール
横山だいすけ
よこやまだいすけ/NHK Eテレ「おかあさんといっしょ」の歌のお兄さんを2017年3月まで最長9年務める。「子どもに良質の音楽を届けたい」という目標のもと、舞台、ラジオ、TVなど幅広く活躍。NHK Eテレ「すイエんサー」(毎週火曜19:25~19:50)、メ~テレ(名古屋テレビ)「ドデスカ!」(月~金曜6:00~8:00)木曜コメンテーター他、出演多数。YouTubeチャンネル「横山だいすけチャンネル」も配信中。
ミュージカル「犬との約束」出演決定! 東京& 大阪で上演。詳細はWEBで。
Web:yokoyamadaisuke.com/
Blog:ameblo.jp/daisuke-yokoyama/
Twitter:@daisuke_minna
Instagram:@daisuke_youtube
星川安之
ほしかわやすゆき/ 1957年生まれ、(公財)共用品推進機構専務理事。1980年トミー工業(現タカラトミー)入社、ハンディキャップトイ研究室に所属。1999年共用品推進機構設立。共著書に『共用品という思想』『アクセシブルデザインの発想』(岩波書店)など。
インフォメーション
前回のゲスト開一夫さんとの対談は、こちらから。
また、kodomoe4月号では、「身近なおもちゃの中にある共生社会のヒントとは?」というテーマで、だいすけお兄さんと星川さんの対談を掲載しています。
これまでの「だいすけお兄さんのパパシュギョー!」一覧を見る。
インタビュー/原 陽子 撮影/大森忠明 スタイリング/吉岡ちさと(だいすけさん) ヘアメイク/安藤千浪(だいすけさん)
だいすけさん衣装/ストライプシャツ34320円、パンツ24530 円/共にblues dress、その他/スタイリスト私物