だいすけお兄さんと産婦人科医・宋美玄先生が対談。「産後ママ&パパは、育児のハードルを下げるための、夫婦のすり合わせが重要です!」【だいすけお兄さんのパパシュギョー!・1】
横山だいすけさんの新連載「だいすけお兄さんのパパシュギョー!」が、2021年4月号からスタートしました。だいすけお兄さんが、パパやママの代わりにさまざまなジャンルの専門家からお話を聞くシュギョー企画。第1回のゲスト・産婦人科医の宋美玄先生とのトークは大盛り上がり! 本誌で紹介しきれなかったお話を、webでたっぷりどうぞ!
日本社会には、ママの罪悪感のもとがたくさん落ちている
だいすけお兄さん(以下だいすけ) 日本と海外で、育児のあり方や考え方は違うものなんですか。
宋先生(以下宋) 国によってだいぶ違うとは思うんですけど、日本はやっぱり、お母さんにのしかかっているものがすごく大きいと感じます。
だいすけ その理由や背景って、何だと思いますか。
宋 昔から、「子どもが3歳になるまでは、母親の手で育てたほうがいい」という、いわゆる「3歳児神話」もあって、私が親になった9年前は、「えっ、子どもが小さいのに仕事するんですか!?」みたいなことを、ネット上で言われたりしましたよ。「3歳児神話」については、厚労省も明確に否定しているんですけどね。母親には、罪悪感のもとになるネタが、めっちゃ落ちてるんですよね。「ネイルや美容院に行く」のすら、「赤ちゃんと離れて」、「わざわざ預けて」みたいに言われたりするんです。離乳食も、手づくり以外のものを使うと、「お母さんなんだから作ってあげたらどう?」みたいなことを言われ続けるんですよ、何年も。令和になってようやく、「それがお母さんである必要あるんか!?」という声も、聞かれるようにはなりましたけどね、
だいすけ 今はベビーフードのバリエーションもすごく増えたし、栄養的にもきちんと管理されて、殺菌もされている状態だからいいっていう声もありますもんね。
宋 安心して使えるし、やっぱりレパートリーも多いし。
だいすけ いろんなものをうまく使いながら、心の余裕を作っていくことが大事なのかなあって、先生のお話を聞いていて思いました。
ママとパパが同じ方向を向いて、できることをする
宋 やっぱり心の余裕が何よりも必要だから、「育児のハードルを下げましょう」って言いたい。ここからは私の考えですが、まずは子どもが生きているのが、一番大事じゃないですか。生きてそれなりに体が成長していくことが大事。よく、「生きていくのに自己肯定感を持つことが大事です」って言いますが、それを育むためには、アイコンタクトをとったり、話しかけたり、抱っこしたり、言葉がわかっていない赤ちゃんにだってレスポンスをする。それが乳児の時期は重要だと思います。でも、そうした親から子どもへの働きかけは、親のほうに余裕がないと減ってしまうんですよ。
だいすけ ママがあえてひとりの時間を作ることや、自分たちのキャパシティを理解した上で、「この中で、じゃあ何ができるのか?」って考えることが必要ですか?
宋 そうですね。夫婦でそのポイントがずれると、不満やいさかいの元になるので、「私たちの育児で大事なものを決めよう」って、夫婦ですり合わせるといいかな。
だいすけ それ、大事ですね。あれもこれもやっていると、一日があっという間に終わっちゃいます。育児で悩まれている方っていうのは、できる範囲を超えたものが、毎日ずーっと続くから、もうどうしようもなくなっちゃうんだと思います。だから、毎日100やるよりも80やって、残り20をどうしていくのかをふたりで話し合う。そうやって整理すると、話すポイントはわかりやすいですね。夫婦で会話を作っていくことが大事なんだなって思いました。
宋 完璧を目指すんじゃなく、ふたりで同じ方向を向いて、できる範囲のことをやっていく。そして、「赤ちゃんへ愛情を注ぐ」「死なせない」っていうポイントを押さえておけば、あとはもう、自分たちのこだわれる範囲でやっていくのがいいと思うんですね。
だいすけ 勉強になります、本当に。
宋 とか言いながら、私も悩みながら育児をしている途中なんです(笑)。
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