バレンタインデーの季節に読みたい絵本『チョコレートがおいしいわけ』【親子の読み聞かせに。今日の絵本だより】
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ちょうど今読むのにいいタイミングの絵本をおすすめするweb連載「親子の読み聞かせに。今日の絵本だより」。過去にご紹介した絵本の中からピックアップ。親子で一緒にこんな絵本はいかがですか。今回は、バレンタインデーの季節に読みたいチョコレートの絵本をご紹介します。
チョコレートが
おいしいわけ
『チョコレートがおいしいわけ』
はんだのどか/作 アリス館 1650円
今日はバレンタイン。
kodomoe世代の皆さんは、家族チョコや友チョコでわいわいにぎやかな一日でしょうか。
毎日とても身近なスイーツ、チョコレート。
でも、チョコレートがどうやってできるのか、ご存知ですか?
それをゼロからわかりやすく教えてくれるのが、『チョコレートがおいしいわけ』です。
ここは、南の国のカカオ農園。
オレンジ色のカカオの実の男の子・カカと、黄色の女の子・ポドが、皆さんをご案内します。
一番始めのチョコレートのもとは、カカオの実の中の、カカオ豆。
バナナの葉っぱの布団に包まれ、ぽかぽかしながら一週間。
今度は広いベッドに広がって、暑い空気をたっぷり吸って、5日間眠ります。
「発酵」や「乾燥」といった言葉はなしでも、子どもたちに伝わるように書かれているのが、さらっとみごとです。
さあ、からからに乾いた豆たちは、袋にぎっしり詰められて、船に乗って日本へ旅立ちます。
カチンコチンで苦ーい豆が、チョコレート工場でとろーり、甘ーいチョコレートに大変身。
型に流して冷やしたら、デコレーションをしてできあがり!
ところでふたりの名前、「カカ」はわかるけど、「ポド」って何かしら?
……と思ったら、カカオの実を「カカオポッド」と言うんですね。
あとがきにありました。なるほど!
暑い南の国から日本の工場までずっと案内してくれる、かわいいカカとポドにニコニコしながら読んでいたら、いつのまにかチョコレートの成り立ちがすとんと頭に入ってしまう。
「あれ、もしかしたら科学絵本だった?」というお得な読後感。
そしていろんなチョコレートができあがった後に、
「もうひとつ いきたい ところが あるんだ」
と言うカカとポド。
一体、どこへ旅立つと思いますか?
……このラストに、なるほど!(2回目。)
『チョコレートができるまで』ではなく『おいしいわけ』というタイトルなのが、腑に落ちました。
これから出会うチョコレートが、今までよりもぐんと味わい深くなりそうです。
選書・文
原陽子さん
はらようこ/フリー編集者、JPIC読書アドバイザー。kodomoeでは連載「季節の絵本ノート」をはじめ主に絵本関連の記事を、MOEでは絵本作家インタビューなどを担当。3児の母。
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