
「ことしがおわるの? おわったらどうなるの?」絵本『くまのこのとしこし』【親子の読み聞かせに。今日の絵本だより】

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ちょうど今読むのにいいタイミングの絵本をおすすめするweb連載「親子の読み聞かせに。今日の絵本だより」。過去にご紹介した絵本の中からピックアップ。親子で一緒にこんな絵本はいかがですか。もうすぐ年末。この時期に読みたいこちらの絵本をご紹介します。
くまのこのとしこし
『くまのこのとしこし』
高橋和枝/作 講談社 1650円
いよいよ年の瀬。
今年最後の「親子の読み聞かせに。今日の絵本だより」でご紹介する作品はこちら、
『くまのこのとしこし』です。
「もう すぐ ことしも おわりだね」
というおとうさんの言葉に、くまのこはびっくりします。
「ことしが おわるの?
おわったら どう なるの?」
「ことしが おわったら、
らいねんが くるのよ」
というおかあさんの言葉に、くまのこはまた驚きます。
「らいねん?」
くまのこには、来年がどんなものかわかりません。
「らいねん」のために家の中をきれいにすると聞き、
自分の部屋のふとんのしわをぴんとのばし、
おもちゃを箱にしまいます。
「らいねん」のためにおめでとうの年賀状を書くと知り、
輪飾りをつくり、画用紙に「おめでとう」と書いてみます。
「らいねん」のためのお買いもの、「らいねん」のための松飾りに、
おせち料理。
「おしょうがつって、らいねんの
おたんじょうかいみたいだね」とくまのこはつぶやきます。
クリスマスやお正月よりはちょっぴり地味めな、年越し。
大人は大掃除や新年の準備にてんてこまいだけど、
子どもはちょっと手持ちぶさたで、でもなんだか特別な気配に、
自分も何かお手伝いしてみたくなったり、そわそわしたり。
そんな子どもの目から見た年越しの空気感が、くまのこ一家の様子から、
温かく伝わってきます。
いよいよ、大みそかの夜。
除夜の鐘が鳴って、くまのこはついに「らいねん」と初対面。
その感想は……。
ぜひ、絵本で見てみてくださいね。
そう、子どもって、そうだよね、そうだったなあ、と、しみじみします。
親子で読んだら、お子さんはきっと、くまのこに共感すると思います。
それでは皆様、どうぞよいお年をお迎えください。
選書・文
原陽子さん
はらようこ/フリー編集者、JPIC読書アドバイザー。kodomoeでは連載「季節の絵本ノート」をはじめ主に絵本関連の記事を、MOEでは絵本作家インタビューなどを担当。3児の母。
※こちらの記事は2018年12月にウェブ掲載したものを再編集しています。



































