6月号付録 『あざらしカフェ すいぞくかんのきゅうじつ』ナカオマサトシさん・うよ高山さんにインタビュー!【コドモエ絵本作家インタビュー】
kodomoe2024年6号の付録絵本「あざらしカフェ すいぞくかんのきゅうじつ」は涼しげな雰囲気がこれからの季節にもぴったりな作品。お話を担当したナカオマサトシさん、絵を担当したうよ高山さん。ふたりで受ける初のインタビューをお届けします。
あざらしカフェ すいぞくかんのきゅうじつ
2歳の息子が
「サメ、おさかな!」と
うよ高山さんの絵に大興奮(ナカオマサトシ)
本当にあったらいいなと
思いながら「あざらしカフェ」を描きこみました(うよ高山)
「のんびりもいいじゃない」
そう思ってもらえたら
――水族館の「あざらしカフェ」が舞台の本作。着想のきっかけは?
ナカオマサトシ(以下、ナ) かわいくて憎めないキャラが出てくる、急がないお話を書きたいと思っていました。なので、最初に浮かんだキャラは、ぐーぐー寝ている店長と、ちょっと怖いサメごろう。
うよ高山(以下、う) 最初にお話を見たとき、ゆるっとした感じがたまらなくかわいいと思いました。コスパ・タイパと言われる時代に癒されるなぁと。
――うよ高山さんは、絵の描き方を過去作と少し変えていますね。
う 今作は輪郭のある動物を描いてほしいというリクエストでした。また、アザラシだけれど「マリン」や「店長」というキャラクターでもあるというのも、キャラクターを作るのが大好きなので楽しかったです。
ナ マリンのキャラデザインを何パターンも考えてくれましたよね。サメごろうは怖くなりすぎないか少し心配だったのですが、ホオジロザメ風に描いてくれたおかげで、丸みがあってかわいくなりました。
――ナカオさんは、完成した原稿を見たときの気持ちは?
ナ 2ページ目で店員さんが横向きに泳いでいるのを見て「そっか、水中だから店内も泳げるんだ」と、驚かされました。あとは、なにより店内の様子。細部まで描かれていて感動しました。
う 本当にあざらしカフェがあるとしたらどんなかな、と想像しながら描いていくうちに、止まらなくなりました。ナカオさんの楽しいラフを見て、作品の世界観が私の頭の中で固まっていたので一気に描くことができました。
ナ 2歳の息子も、 「サメ!おさかな!」と大喜びでした。「おなかペコペコ、はやくはやく」のシーンは息子もマネして喜んでました
――ナカオさんは育児にも奮闘中です。
ナ 子育ては楽しいですが、時間をすべて子どもに取られるのが、
本当に大変。ホッとできる時間を見つけるのが難しい、そんなママパパに愛嬌たっぷりのあざらしカフェを届けられたらうれしいです。
う 忙しい日々の中で、おやつ感覚で楽しんでくれたらうれしいです。紛れ込んできた小さな珍客たちも思わずお手伝いする、のんびり過ぎる優しいカフェ。サメごろうさんも言っているように「のんびりもいいじゃない」と思ってもらえたら素敵ですね。
ナカオマサトシさんの絵本
『いってらっしゃいうんちくん』
イヌイマサノリ/絵 ひさかたチャイルド 1430円
お腹にはうんちを作る小人がいる!?
「いいうんち」を作るため、好き嫌いなく食べたくなります。
うよ高山さんの絵本
『ワニはどうしてワニっていうの?』
大塚健太/文 小学館 1430円
動物の名前の由来はなんだろう。ユーモラスな回答と、くるくる変わる動物たちの表情が楽しい一冊。
ナカオマサトシ
和歌山県生まれ、在住。子ども向けテレビ番組制作を経て、絵本作家に。絵本に『ねむたくないせんにん』(服部美法/絵 佼成出版社)など。2歳男の子パパ。
うよ高山
東京都生まれ、神奈川県在住。デザイナーを経て、イラストレーター・絵本作家として活動。絵本に『もふもふライリーとちいさなエリザベス』(ナカイサヤカ/文 サウザンブック
(kodomoe2024年6月号掲載)