読み聞かせQ&A プロが読者の疑問に答えます!
悩みはまだまだ……
Q.15 小学生でもまだ読み聞かせ?
小学3年生になっても「絵本を読んで」と言われます。自分で読むようにすすめた方がいいのでしょうか。(観音佳津子さん/8歳女の子ママ)
A 自慢してもいいくらい!
とっても幸せなことですね! 大きくなっても、ママの語りを「聞ける」ことはすごいこと。無理にやめずに、親子の幸せな時間を長く楽しんでほしいです。絵本は乳幼児だけのものではなく、小学生、さらに高学年だからこそわかるという作品も、たくさんあります。もしもママひとりで読むより娘さんの発話が聞きたいのなら、『よかったね ネッドくん』のような決まり文句のある絵本で、そこの部分だけを担当してもらうのはいかが?
『よかったね ネッドくん』
レミー・シャーリップ/作 やぎたよしこ/訳 偕成社
本体1400円+税
Q.16 寝る前の灯りはどうしたら?
寝る前に本を読み聞かせるとき、部屋が暗い方が入眠儀式としてわかりやすいかと思うのですが、目に悪くないか心配です。(ミルミルさん/3歳女の子ママ)
A 小型の読書灯がおすすめ
寝室のメインの照明は消して、枕元に読書灯を置くのはいかが? スリープタイマーつきや持ち運びできるもの、いろいろなタイプがあります。お子さんが別の部屋で寝はじめるときには、ナイトライトとして活用できるかも。
「文字くっきり光」搭載で文字が読みやすい。LEDデスクスタンドSQ-LD222 オープン価格/パナソニック
充電式で様々な場所に持ち運びできる。LED持ち運びできるあかり 6900円(無印良品)/無印良品 池袋西武
1時間スリープタイマー付きで、途中で眠ってしまっても安心。LEDふとんライト8640円/ツインバード工業
Q.17 文字なし絵本の読み方は?
「絵だけ」の絵本を親子で読むとき、ページをめくるタイミングや、解説は必要なのか教えてほしいです。(ペドロ大佐さん/5歳男の子ママ)
A どう読むのも自由です
絵を見るときに決まりはないように、文字のない絵だけの絵本も、決まりを考えず思いきり自由に楽しんでください。絵を見ながらお子さんにあれこれ質問してみると、意外な発見や思いつきを教えてくれたりしますよ。
Q.18 向かい合って?おひざの上?
読み聞かせるときは、子どもと向かい合って読んであげるのか、それともひざに座らせて読んであげるのか、どちらの方がいいのでしょう。(cloverさん/5歳女の子ママ)
A どちらだって大丈夫!
おひざなら、ママの体温が伝わって安心感もいっぱい、親子で同じ視線も共有できます。また、園生活などで向かい合っての読み聞かせを体験すると、家でもそういうふうに読みたがるかもしれませんし、さらに大きくなれば、もうおひざにはのれなくなるでしょう。「どっちがベスト」ではなく、そのときどきで、お子さんが望むスタイルが一番。「こうあるべき」という考えにとらわれ、絵本の時間を窮屈なものにしないことの方が大事です。
原さんから悩めるママへ!
「友達」とのおつきあいは頭で考えすぎないで
みなさんからのたくさんの真剣な質問に、驚きました。でも、もっと肩の力を抜いて大丈夫! 絵本は教科書やドリルではなく、「友達」です。なかよしになる、ならないは、理屈ではなくそのときのその子次第。友達づきあいにマニュアルはありませんし、相性のよしあしもそれぞれ違って当然です。
そして、読み聞かせはしつけではなく、心への種まき。芽を出す前から水をあげすぎたりつついたり、まっすぐに伸ばそうとする必要はありません。種をまくことを純粋に楽しんでいれば、いつかひょっこり花が咲くことがあるかもしれない、それくらいの心構えがおすすめです。大人ができることがあるとすれば、絵本を読む時間は眉間にしわを寄せないこと、そして、あれこれ言いすぎて本を嫌いにさせないこと。「ねば」「べき」の理屈から離れ、まずは大人が絵本をまるごと楽しめば、子どもも自然に絵本となかよくなります。
原陽子さん
はらようこ/JPIC読書アドバイザー、フリー編集者。本誌連載「季節の絵本ノート」をはじめ、これまで「kodomoe」誌上で選書、紹介してきた絵本は約800冊。15歳女の子、12歳&6歳男の子ママ。