
変化の多い春は“免疫グラグラ”期! 「見えざる」リスクから家族を守ろう
進級、新入園や新入学……。新しい生活がスタートする春は、実は感染症にかかりやすい季節。その理由を小児科医の相澤まどか先生に伺いました。家族で感染症対策と免疫力アップに取り組み、始まりのシーズンを元気に乗り切りましょう!
冬が終わっても安心とは限らない!
春こそ感染症に気を付けたい理由とは
以前はインフルエンザやRSウイルスなどは「冬に流行する感染症」というイメージがありましたが、近年は夏から流行するなど、季節性がなくなってきています。相澤先生は「海外旅行者の増加により、冬の南半球からウイルスが持ち込まれやすくなったことや、寒暖差による免疫力低下などが要因です」と指摘します。
さらに、これからの春先も油断は禁物です。
「特に春先は寒暖差が激しく、新生活のストレスなどもあって自律神経が乱れがち。自律神経のバランスと免疫力は密接に関係しているため、免疫力が不安定になる『免疫グラグラ』の状態に陥りがちです。倦怠感や食欲低下などの不調も現れやすいため、『冬が終わったからもう大丈夫』と気を緩めることなく、引き続き感染症に注意したいですね」
新生活で緊張続きの春は、免疫力も低下しがち

特に、小さな子どもがいる家庭は要注意です。
「赤ちゃんのときはママからもらった免疫がありますが、生後半年くらいでそれはなくなり、1歳半くらいから自然免疫の発達が始まります。そこからさまざまな感染症にかかるなどして免疫を獲得していき、10~12歳ごろ免疫が完成します。ところが今の幼児は、コロナ禍で厳重に感染対策をしていた影響で感染症にかかる機会が少なく、いわゆる『免疫学習』が不足していると言われます」(相澤先生)
こうした“免疫弱者”である子どもたちにとっては、新年度というタイミングもリスクを押し上げる要因。
「進級や新入園・新入学などで、登園・登校の準備や宿題などのタスクが増えたり、生活リズムが変化したり、人間関係が変わったりする子も多いでしょう。すると知らないうちに緊張状態が続き、自律神経のバランスが乱れ、交感神経優位な状態が続きがちになります。そこから免疫力が不安定になり、感染症にかかりやすくなってしまうのです」
花粉症と感染症の見分け方は
くしゃみを連発するかどうか
春と言えば花粉症も大きな懸念。くしゃみや鼻づまりなど感染症と似た症状もあり、「どっち?」と様子を見ているうちに家族に感染が広がってしまう、なんてことも。
「症状である程度は見分けがつきます。花粉症は連発するくしゃみ、透明でサラサラした鼻水、目やのどのかゆみ、目の周りの皮膚炎などが特徴的。症状は2週間以上続くことが多いです。一方でインフルエンザなどの感染症は発熱、せき、粘り気のある鼻水、鼻づまりなどが多い症状です」
とは言え、これらはあくまで目安。子どもの調子が悪そうだと思ったら、自己判断で押し切らず早めに病院を受診するのが安心です。
「完璧」よりも「続けること」が大事!
家族で感染症対策をルーティンに

感染症の“見えざる”リスクが高い春、家族で感染症対策をするためのポイントは?
「日中の外遊びや十分な睡眠で、自律神経を整えることは大切です。栄養面ではたんぱく質をしっかり。またビタミンCやD、亜鉛などのミネラルも欠かせません。要するにバランスのいい食生活ですね。
あとは腸内環境を整える『腸活』も大切。腸は私たちの免疫の大きな部分を担う器官です。ヨーグルトや納豆、みそやぬか漬けなどの発酵食品は腸活に大いに役立ちます。中でもヨーグルトは、たんぱく質が豊富で、食事やおやつとして手軽に摂れるのでおすすめです。
感染症対策は『ここぞ』というときだけがんばるものではなく、何よりも習慣化が大切。すべてを完璧にこなそうとすると大変なので、ママパパと子どもたちが楽しみながら一緒に取り組んで、継続することを目指しましょう。例えば『うがい、手洗い、腸活!』など、リズムに乗せた合言葉をつくって日常のルーティンにしちゃうのもいいですね。腸活で免疫のバランスが整うと、花粉症の改善も期待できますよ」
まとめ
依然として続く感染症の流行、新生活の緊張、寒暖差、花粉……健康リスクが多く、免疫力が不安定な春。家族のルーティンを決め、感染症と免疫力低下のリスクを遠ざけましょう。
教えてくれたのは
相澤まどか先生
あいざわまどか/小児科専門医、医学博士。昭和大学医学部卒業。関東圏内の複数の新生児科、小児科を経て「コトコトクリニック」(東京・品川)を開設。カゼなどの一般診療、予防接種、健診、育児・栄養相談、NICU卒業生のフォローアップなどの専門外来も担当。



































