
近視発症が低年齢化! 子どもの目を守る新たな活動がスタート
近視進行予防に関する専門医と各分野のプロが集まって活動している団体・近視予防フォーラムが、「近視進行予防宣言」を発表。急増する子どもの近視の進行を防ぐ新たな取り組みを始めました。
子どもの近視が急増中!
近視予防フォーラムの代表世話人・森紀和子さんによると、世界は今“近視の危機”! 日本でも小学生の約3人に1人が視力1.0未満。中学生で6割、高校生で7割を超えるなど、年々増加傾向にあるのだとか(文部科学省 令和4年度学校保健統計調査)。
なかでも深刻なのが、近視発症の低年齢化。最新の研究では近視の発症平均年齢が2005年の10.6歳から、2021年には7.6歳まで低下。近視発症の年齢が低いほどその進行も速くなり、強度近視のリスクもアップ。強度近視は失明につながる可能性があると言います。
正しい生活習慣が近視の進行を予防
近視の原因のひとつは、眼軸長(眼球の奥行きの長さ)が伸びること。とくに成長期は体の発達とともに眼軸長のバランスが壊れ、近視になるケースが多いとか。伸びてしまった眼軸長は戻らないため、近視にならないよう、なってしまった場合は進行しないよう、就学前から予防することが大切です。
「一日2時間以上外で遊ぶ子どもは近視になりにくい、または近視の進行が少ないということが最近の研究でわかっています」と森さん。近年は運動や睡眠、栄養不足に加えてデジタルデバイスを使うことも増え、そういったことすべてがからみあって、近視を引き起こすのだそう。「近視の予防には生活習慣をととのえることがとても大切。早期発見・治療のため、定期的に眼科の検診を受けることもポイントです」。
企業と教育現場が連携し、子どもの目を守る!
そんな近視の現状をふまえ、近視進行予防をさまざまな形で実践する企業連携の枠組みとして「近視進行予防コンソーシアム」がスタート。近視進行予防に関連した薬剤や医療機器、栄養補助食品を開発する企業と、子どもと接点をもつ教育現場が力を合わせ、正しい情報を広く伝えていくことにより社会全体で近視への意識を高め、近視のない未来を目指すとのこと。近視進行予防の最新情報は、今後も要チェックです!
「近視進行予防コンソーシアム」に参画する(左から)坪田ラボ代表取締役社長・坪田一男さん、ジンズホールディングス 代表取締役CEO・田中仁さん、近視予防フォーラム代表世話人・森紀和子さん、ロート製薬代表取締役会長・山田邦雄さん、SAPIX YOZEMI GROUP共同代表・髙宮敏郎さん。
近視予防フォーラム
https://myopia-prevention.jp/
イラスト/あずきみみこ 文/ササキトモコ