小学校の授業で習う英語はほとんど役に立たないってホント? 英語に関する「ホント?」を検証!
子どもにやらせたい習いごとで常に上位に入るのが、英語です。「これからは英語くらいできなくちゃ!」とは思うけれど、早く始めないと手遅れ? そこで、巷にあふれる語学教育の都市伝説を検証します!
※母語……幼少期より、家庭内で親が話すのを聞いて自然に身に付ける言語。母国語(自分が所属する国の言語)と区別する。
ホント?
小学校の授業で習う英語は
ほとんど役に立たない
異文化や異言語に
触れる教育ができれば
意義はあります
学習の量(時間数)・質・集中度が、外国語の習得に影響するという研究もあります。小学校で週1~2時間程度の授業では、十分とは言えないでしょう。ただし、異文化や異言語への興味・関心を引き出す授業内容であれば、英語を学ぶモチベーションにつながるはずです。
ホント?
世界で活躍できる子にするには
インターナショナルスクールで
バイリンガルに育てるのがいい
学校だけでバイリンガルに
なれるわけではありませんが
国際感覚が育つメリットも
バイリンガルの定義は曖昧です。母語である日本語と同じレベルで英語を使えるようになるには、学校生活だけでは難しい場合も。多様な文化的背景を持つ先生や生徒たちと交流できる環境には、グローバルなコミュニケーション力が育つメリットもあると思います。
ホント?
英検などの英語テストで
高得点を取っておくと将来有利になる
進学や就職で有利になる場合も。
ただし、テストで測れるのは
英語力の一部です
英検やTOEICなどのスコアが、受験や就職試験で評価されるケースもあります。英語力が高いほど収入も高くなる傾向はありますが、実証する有意なデータはありません。身に付けた英語力を活かして、知見を広めコミュニケーション力を高めることが、生きる力となるのでは。
教えてくれたのは
久保田竜子 先生
くぼたりゅうこ/カナダ・ブリティッシュコロンビア大学教授(応用言語学)。公立中学・高校の英語教諭を経て、トロント大学で博士号を取得。著書に「英語教育幻想」(筑摩書房)など。
イラスト/うすみ(kodomoe2023年4月号掲載)