PTA役員経験者だからわかる!ぶっちゃけ座談会・後編【Vo.3】
実際にPTA活動を体験したママだからわかる、PTAの真実とは……!? 話し始めたら止まらない、委員・役員の経験者がセキララに語るPTA ぶっちゃけ座談会をお届けします!
司会進行をしてくれたのは
大塚玲子さん
おおつかれいこ/編集者、ライター。「PTA」と「いろんな形の家族」をテーマに各種媒体に執筆、講演等を行う。息子は高校生。著書に『PTAをけっこうラクにたのしくする本』(太郎次郎社エディタス)、『ルポ 定形外家族』(SB新書)など。
沢木愛子さん(仮名)/小2娘のワーママ。1年生時に、ベルマーク委員を務めた。
関原えまさん(仮名)/小3息子の専業ママ。小1でリサイクル委員長、その後PTA本部役員に。
早見麻弥さん(仮名)/中1娘、小5息子を持つママ。保育園で父母会長、PTAの委員経験も豊富。
※座談会参加者のお子さんの年齢は取材当時の年齢・学年です
井戸端会議的に
楽しむのも吉
早見 いろいろあるけど、やっぱりPTAを楽しんでやっているママがいると前向きになれますよね。
沢木 そうですよね。どうせ時間を費やすのなら、楽しんだ方が。
関原 中には性格的に向かない人も、絶対いると思うんです。「そういうところに行くのがとても負担で」という人は、無理に来なくてもいいと思います。
早見 そうそう。ベルマークも作業自体は面倒なんですね。ただみんなでわ~っておしゃべりするのが楽しい。PTAというより、ハサミとホチキスとテープを使った井戸端会議みたいな。そう思うとハードルが下がるんじゃないかな。
大塚 「井戸端会議」っていいですね。ベルマークの切り貼りはワーママも家でできるよ、と人気の学校も多いみたいですね。でも自宅作業だと、交流にはならない。
関原 うちは作業が土曜日なので、ワーママも来られます。
大塚 そうしたら交流できますね。ワーママこそ、専業ママの広い情報がほしいじゃないですか。
沢木 すごいですよね。学年が違うママのことも、よその学校の話も知っている。
早見 そう、幼稚園出身のママの顔の広さには、かなり助けられます。そういえば係を決めるとき、保育園出身のママは、土日にできるとか午前中で終わるとかの条件で選ぶけど、幼稚園ママは「〇〇ちゃんママと一緒にできるから入る」という方が多くて。仕事の内容より「誰とやるか」が重要なんだなって思いました。
関原 でも、仲良し同士で同じ役をやっても、仕事の進め方は合わなかったりすることもあるんですよね(笑)。それと、専業主婦だと「楽しい~っ」て話し込んじゃって作業が終わらないこともあるけど、ワーママは仕事があるから「ここまでの時間でやっちゃわなきゃ」ってパッて終わらせるのがすごい。
ただ、一部にはワーママを理由にやらない人もいたりして。やっぱり何事も、メンバー次第ですよね。今のうちのPTAは、文句を言いつつも笑いに変えてやってしまう人たちなので、忙しくても楽しく活動しています。
PTAを経験して
見えてくることも
大塚 では、PTAをやってみてよかったことを聞かせてください。
関原 学校での子どもの様子を見られるし、先生や他学年の保護者ともつながりができて、先輩ママからいろいろ教えてもらえる。ママ同士が仲良くなると、子どもたちも仲良くなるんですよ。
沢木 知り合いが増えるのは、すごくありがたかったです。保護者会で「PTAどう?」なんて話しかけられたり、交流が増えて。
早見 同感です。子どもたちにも、「あ、〇〇君のママだ」って覚えられて。クラスの女子が学校での息子の様子を教えてくれたり、そんなやりとりがうれしかったです。
沢木 うちはPTAと地域が密着しているので、商店街のイベントもPTAや地域の人が頑張っているから行こうと思うし、ありがたさがわかる、見方も変わりますね。
大塚 やる側に回ることで見えてくることも、多くありますよね。
関原 そう、中に入ってみないとわからない。経験上で言うと、やらない人ほど文句を言うんですよね。学校のいろいろが見えてくれば「あ、ここは仕方ないんだ」とか、不満は解消されるかも。
沢木 できることとできないことがわかるから。でも、多分外にいる人は、常に文句ばかり(笑)。
関原 私は今PTAの中で楽しくやっちゃってるから、PTAのあれこれに麻痺している部分はあるかもしれないです。
大塚 そうそう、PTAの外側だったときの感覚も、もしかしたら正しいこともあるのかも。どちらの見方もありますよね。
「これ変!」は変えられる。
違いを楽しんで!
進度に差はあれ、PTAに変革の波は来ているようです。おかしいと思うことは変えてもいいのです。まずは、全員がやるべき! という考え方から変えてみては?
有志によるサークル活動と思えば、ワーママや専業ママなど立場も考え方も異なる人が、触れ合える貴重な場になります。その違いを楽しみましょう!(大塚)
イラスト/山田美津子 編集協力/原陽子(kodomoe2019年6月号掲載 ※この記事は、2021年4月にウェブ掲載されたものを再編集しています)