生きる力の基礎を作る「お金育」とは?【今日からできる「お金育」・1】
お金育STEP1
「お金の存在」を知ろう
そもそもお金って何? ものやサービスの対価であることを知り、価値があるものだという認識を育てましょう。
2歳〜
お金が出てくる絵本でお金を身近に感じよう
本当にほしいものは?
自問自答する子どもの心
ほんとに ほんとに ほしいもの
ベラ・B・ウィリアムズ/作・絵
佐野洋子/訳
あかね書房 本体1400円+税
つつましい暮らしの中で貯めたお金で、ローザが自分の誕生日に買ったものとは? お金の有意義な使い方を考えるきっかけになる一冊。
仕事の大変さや意義を
知ることができる一冊
はちうえはぼくにまかせて
ジーン・ジオン/作
マーガレット・ブロイ・グレアム/絵
森比左志/訳
ペンギン社 本体1200円+税
夏休みに人から預かった鉢植えの世話をするトミー。自分でいろいろ工夫して、請け負った仕事を成し遂げる姿に、仕事やお金の意味を見ることができます。
もったいないばあさんに教わる、
ものを大事にする心
もったいないばあさん
真珠まりこ/作・絵
講談社 本体1500円+税
茶碗に残った米粒、出しっぱなしの水道……。どこからともなく現れるもったいないばあさんの姿に、ものや資源を大事にする気持ちが芽生えます。
ひとりでお買い物、ドキドキ初体験!
はじめてのおつかい
筒井頼子/作 林明子/絵
福音館書店 本体900円+税
みいちゃんは忙しいママの替わりに、ひとりで牛乳を買いに行きます。お買い物をしてみたくなる気持ちを自然と引き出すお話です。
お金が必要なことと
そうでないことの違いは?
ともだちや
内田麟太郎/作 降矢なな/絵
偕成社 本体1000円+税
友達がほしい人を相手に「ともだちや」を始めたキツネ。友達とは?と同時にお金の必要性も知ることができます。読み聞かせに大人気。
3歳〜
お買い物ごっこでお金の役割を知ろう
「ものを買うにはお金が必要である、ということを遊びながら認識できるのがお買い物ごっこ。売る方なら値段をつける、おつりを渡す、買う方ならお金の管理、支払い、値段交渉など、実生活と同じような疑似体験ができます」
最初のうちは言葉やものの交換でもOK
「1~2歳なら言葉のやり取りだけでもOK。何かをしてもらったら『ありがとう』を言ったり、お金のかわりにシールをあげたり。シールブックを一冊作ってあげると、預金通帳のように貯まる楽しみも味わえます」
3歳〜
簡単なお手伝いでお金の意味を学ぼう
「お金はどうやって手に入れるのか。それは労働の対価である、ということを知るのに、お手伝いに対してお駄賃をあげるのは有効です。渡すときには『この仕事に対して支払うお金である』ということを分からせるために、『ありがとう』の言葉とともに、すぐに渡しましょう」
お手伝いに対してお駄賃をあげる際のPOINT
「お駄賃を渡す前に、子どの仕事のできばえを確認して。やりかけだったり、仕上がりが雑だったらやり直しをさせることも必要です。きちんと働いてお金をもらう──大人の世界では当たり前のことを、今から身に付けましょう」
教えてくれたのは
竹谷希美子さん
たけやきみこ/フィナンシャルプランナー、お金教育専門家。各地PTAなどでお金教育の大事さを説く。著書に『マンガでわかる! 子どもにちゃんと伝わるお金の「しつけ」』(近代セールス社)など。
次回は、「お金育」の進め方【今日からできる「お金育」・2】です。
イラスト/今井杏(kodomoe2018年6月号掲載)