2025年5月16日

子どもの「行き渋り」こんなときはどうしたらいい? ふたりの専門家がアンサー!

kodomoeママパパから挙がった行き渋り・不登校の不安や疑問に多くの子どもたち&保護者を見てきた専門家のふたりがアンサー。

子どもが園や学校に行くのを嫌がる=行き渋りの様子を見せたら? 子どもを追い詰めず、親も慌てないための言葉がけや対応を考えます。

行き渋りの不安・疑問Q&A

子どもの「行き渋り」こんなときはどうしたらいい? ふたりの専門家がアンサー!の画像1

休むことが決まると遊び出す
「さぼりじゃん!」

Q 休むことが決まると1時間ほどはおとなしくしているものの、テレビを見たいと言ったり、しまいには遊び出します。心の中で「さぼりじゃん!」とつぶやいてしまうのですが……。(あこけさん/12歳女の子、9歳&4歳男の子ママ)

A 心を回復させているのかもしれません
「休んだからこそ元気になった、という見方もできます。小中学生の親御さんで多いのが休んで動画やゲームばかりというお悩み。でも辛い気持ちを一時的に忘れられるという側面もあり、表面上は元気でも中身はそうでないことも」(池田さん)

行きたくないあまり
暴言を吐きます

Q 行きたくないあまり暴言を吐きます。どう対応したらよいのでしょうか?(コッペパンさん/6歳女の子ママ)

A 行動とその背景を分けて考えてみる
「暴言はただ受け止めるのではなく、やめてほしい、こういう伝え方をしてほしいと言うべき。ただ背景があるはずなので、『こういう気持ちでこんな言葉が出たんだな』と、子どもなりの理由があることを心にとめておくのは大事だと思います」(池田さん)

上の子の気持ちに
どう寄り添えばいい?

Q 下の子はまだ自宅保育なのに、自分だけ幼稚園に行かなければならない上の子の気持ちに、どう寄り添えばいいのか……?(アリーナさん/6歳&4歳女の子ママ)

A 上の子とママだけのスペシャル日を作ってみては
「土日など誰かに下の子を見てもらい、上の子とママだけの時間を持つのはいいですね。一緒にケーキでも食べたりして『あなたのことをちゃんと見てるよ』と伝えると、お子さんは安心できるように思います」(岡田さん)

家と園の様子が違う?
どう捉えたらいいの?

Q 家では「行きたくない!」、なのに行くと先生は「楽しく遊んでいましたよ」と。これはどう捉えらたいいでしょうか?(tama子さん/6歳男の子ママ)

A 行く勇気を出せたことをほめてあげたい
「こういう場合、今日何をするかのイメージができなくて不安になっている場合も。でも行けて楽しくできたなら『なんだ行けるんじゃない』よりは、不安に共感してあげつつ、行く勇気を持てたというところを見てあげるといいですね」(岡田さん)

仕事と不登校、
どうやって両立する?

Q たまにならいいけど続くとこちらもキツイ。仕事と不登校、どうやって両立したらいいの?(まつこさん/9歳男の子ママ)

A 続くなら期限を決めても並行して今後の相談を進めて
「仕事を休んで収入面に響くなどの場合は、いつまで休んでみると決めてみても。ただ、期限が来てから次に動き出そうとするのは難しそうに見えます。期限より前に教育支援センターに相談したりフリースクールを探すなど、動き出すのがよさそうです」(池田さん)

小中学校で不登校
その後の道筋は?

Q 小・中と不登校だった場合、その後の道筋を知りたいです。(すももさん/3歳&6歳女の子ママ)

A 学びたいと思ったらその都度進学先を検討
「子どもには、教育を受ける権利があります。不登校を経験した後でも、中学や高校への進学は可能です。また、教育支援センター、学びの多様化学校、フリースクール、定時制、通信制の高校、インターネットを活用した学びの場など、自分に合った学び方を選べる時代になってきていると思います」(池田さん)

夫との意見の不一致
どうしたらいい?

Q 私は休んでもいいと思うのですが、夫は「絶対行け」。この不一致はどうしたらいいですか?(あんこパンさん/6歳女の子ママ)

A よかった点/よくなかった点をフィードバックしてみると◎
「夫婦だけのときに、学校へ行ったとき・行かなかったとき双方の、よかった点・よくなかった点をすり合わせてみては。例えば『休んだけどお手伝いがんばってたね』など、子どもの様子を中心に考えると、何がいいのかが見えてきやすくなります」(岡田さん)

教えてくれたのは

岡田悠さん
おかだはるか/やおやこどもクリニック院長。小児科専門医。子どものこころ相談医。一般小児科診療のほか、医療的ケア児や発達障害の子も診療も担当。男の子ママ。

池田隆史さん
いけだたかし/中学校教員を経て、雲南市教育支援センター「おんせんキャンパス」(認定NPOカタリバ運営)の運営に従事。行政と連携して不登校の小中学生を中心に教育支援などを行う。

イラスト/山田美津子(kodomoe2024年6月号掲載)

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