2025年7月26日

見たことないのはあり得ない! 子育て世代こそ「ハザードマップ」をチェックして欲しい理由とは

自分の住む地域の「ハザードマップ」を見たことはありますか? 災害後、実際に被害があった区域とハザードマップの被害想定区域を照らし合わせると、重なることも多く、ハザードマップの重要性はさらに増しています。
アウトドア防災ガイドのあんどうりすさんが「見たことないのはあり得ない! と言っても過言ではない」という「ハザードマップ」とは?

ハザードマップって
ナニ?

ハザードマップ

被災がおよぶ想定区域や避難場所、避難経路、危険な場所などを表した地図のこと。
地震や洪水などの自然災害による被害をできるだけ小さくすることや、防災対策に使用する目的で作られている。災害によりそれぞれ異なり、各自治体で作成しているため、見た目や内容にはそれぞれに違いがある。

「ハザードマップは自分や家族のいる場所が危険かどうかを知る大切な手段です。見たことがないという人もまだまだ多いのが現状。何が書かれているのか、なぜ見て欲しいのかをぜひ知って欲しいです」(あんどうりすさん)

見たことないのはあり得ない! 子育て世代こそ「ハザードマップ」をチェックして欲しい理由とはの画像1

ハザードマップポータルサイトより

ハザードマップポータルサイトはこちら disaportal.gsi.go.jp/index.html

ハザードマップには
何が書いてある?

見たことないのはあり得ない! 子育て世代こそ「ハザードマップ」をチェックして欲しい理由とはの画像2

「保護者の方にはまず、『水害』に関するハザードマップを見て欲しいと思います(※1)。
水害に関するハザードマップには、洪水や内水氾濫のときにどの地域で浸水するかという『浸水想定区域』が、赤や青などの色別に表示されています。ただ、色だけを見ていても、いつその状態になるのかが分からなければ避難にはつながりません。そのハザードマップが何を意味しているかを知ることが、いつ避難すべきなのかの判断につながっていくのです(※2)。」

※1 自治体により『洪水ハザードマップ』『水害ハザードマップ』『浸水ハザードマップ』などの名称で掲載されています。
※2 中小河川や小規模河川、用水路などについてはハザードマップに反映されていない場合もあり、色がついていない=安全とは言えないため注意が必要です。

いつ避難をすれば良い?

警戒レベル3は
乳幼児がいる家庭も避難対象

「水害や土砂災害の防災情報はさまざまで、結局いつ避難すれば良いのか分からなくなる人もいるかもしれません。その場合はまず、市町村が発令する『警戒レベル情報』を目安にして欲しいと思います。

警戒レベルは5段階あり、レベル4は全員避難、レベル5はすでに災害が発生している状況です。小さな子どもがいるなど避難に時間がかかる場合は『レベル3』での避難が推奨されています。
ハザードマップを見て危険だとされる場所に住んでいるならば、浸水していない段階で避難をすると決めておくことが必要です。どの段階で避難するかということを事前に決めておくことは、実際の災害時に慌てず行動できることにも繋がるからです。

過去の例を見ると、水害の警戒レベル4が発令されてわずか4分で堤防が決壊したということもありました。子ども連れの避難は『警戒レベル3』での避難が安全でしょう。」

見たことないのはあり得ない! 子育て世代こそ「ハザードマップ」をチェックして欲しい理由とはの画像3

江戸川みんなの防災プロジェクト「どうする? 水害から命を守る行動」より引用 

「ただし、警戒レベル3での避難にはデメリットもあります。それは、警戒レベル3が出されている時点では雨が降っていなかったり、まだ川の水位も上昇していないため避難するには大げさに思えてしまうことです。また、実際には予測からはずれて、大きな被害にならずに済むこともあります。

ただ、繰り返しになりますが、ハザードマップで現在地が危険な場所かどうかを知ること、危険な場所にいるということが分かっているのならば、早い段階で避難すると決めて行動することはとても重要です」

教えてくれたのは
あんどうりすさん
アウトドア防災ガイド リスク対策.com名誉顧問。阪神淡路大震災の経験とアウトドアスキルを使った日常にも役立つ防災テクを仲間に話したのが2003年。技だけなく仕組みと知恵が得られると好評で、口コミで全国に広がる。現在、企業研修など多様な講演、FM西東京パーソナリティ、リスク対策.comなど防災記事も執筆。ゆるくて楽しい防災が好み。

Photo by Adobe Stock ※この記事は、2020年10月にウェブ掲載されたものを再編集しています。

シェア
ツイート
ブックマーク
トピックス

ページトップへ