『ポレポレゆきのなか』【親子の読み聞かせに。今日の絵本だより 第350回】
kodomoe本誌連載の「季節の絵本ノート」では、毎回2か月分のおすすめ絵本を15冊、ぎゅぎゅっとコンパクトにご紹介しています。
こちらのweb版では毎週、ちょうど今読むのにいいタイミングの絵本をおすすめしていきます。おやすみ前や週末に、親子の読み聞かせにこんな絵本はいかがですか。
『ポレポレゆきのなか』
たしろちさと/文・絵 大日本図書 1540円
2月もあと半分あまり、そろそろ今シーズンの雪の絵本も読みおさめ?
「こちらはまだまだ、雪だらけ!」というおうちも多いでしょうか。
この冬発売の雪の絵本から、銀世界の魅力がいっぱいの『ポレポレゆきのなか』をご紹介します。
あわてんぼうのやぎくん、お調子者のはりねずみくん、しっかり者のぞうくん。
仲よしトリオが電車に乗って、「ゆきまち」へ向かいます。
今日は真っ暗な空に現れるという、オーロラを見に行くのです。
「ゆきまち」駅で電車を降りると、あたりは一面、雪景色。
青い空の下、見渡す限り真っ白です。
オーロラツアーの受付にみんなで並んでいたら、あら?
はりねずみくんが、どんどんロッジの向こうへ行ってしまいます。
やぎくんとぞうくんが追いかけると、はりねずみくんは大の字になって、あおむけで雪の上に寝っころがっていました。
「ゆきって、ふかふか。やぎくんも ぞうくんも ねてごらんよ」
やぎくんとぞうくんが真似してみたら、ほんとにふかふか、いい気持ち。
楽しくなってきたみんなは、オーロラツアーが始まるまで、雪合戦や雪だるまづくりで大はしゃぎ。
空が暗くなってきたら、いよいよオーロラを見るために、丘の上を目指して出発です。
冷たいけれど気持ちよくて、心はポカポカしてくるような、特別な雪の魅力。
暗闇の中、雪で覆われた白い大地、その天空に輝くオーロラはさらに格別な光景です。
『ポレポレゆきのなか』は、シリーズ第1弾『ポレポレやまのぼり』から11年ぶりに登場した新作第2弾。
やぎくん、はりねずみくん、ぞうくんの前の旅が、そして「ポレポレ」という言葉が気になる方は、ぜひ『ポレポレやまのぼり』もあわせてご覧くださいね。
選書・文 原陽子さん
はらようこ/フリー編集者、JPIC読書アドバイザー。kodomoeでは連載「季節の絵本ノート」をはじめ主に絵本関連の記事を、MOEでは絵本作家インタビューなどを担当。3児の母。