寝相アートだけじゃない。真上から撮る俯瞰写真の面白さ【ママカメラマンのスマホ写真術・8】
育児雑誌などで活躍中のママカメラマン、成田由香利さんによるスマホカメラの写真術。子どもを撮るときのアドバイスを教えていただきます!
子どもの写真を俯瞰で撮ってみよう
こんにちは。今回のスマホ写真術は、お子さんを上からの視点で、つまり俯瞰で撮ってみようというお話です。
小さいお子さんがいらっしゃる方は、「お子さんの俯瞰撮り」というと、寝相アートを思い出すかもしれませんね。やったことがある方であればお分かりだと 思いますが、俯瞰撮りには、少しコツが必要です。今回は、寝相アートのような広い範囲を撮る俯瞰撮影のお話ではありませんが、参考になればうれしいです。
まず俯瞰でお子さんの写真を撮る時に大事なことは、お子さんとの距離(高さ)を調節しながら、なるべくお子さんの顔の真上に近いところにカメラがくるように、位置を決めることです。お子さんの顔まわりだけでなく体もフレームの中に入れたい場合は、イスや踏み台などの上に乗り、少し身を乗り出すような体勢でお子さんを覗き込みながら撮ると、よりお子さんの表情が見える写真になりますよ。
高さの足りない斜め上から撮ると、あごやほっぺの部分の面積が多く写り、目元の表情が見えにくくなってしまうこともあるので、カメラの画面を見ながら、高さを上げたり下げたりして、その時のお子さんの顔とカメラのベストな位置関係を探してみて下さいね。
また、もうひとつ大事なことは、お子さんが床に寝転がって撮るような俯瞰写真の場合、お子さんの背景に奥行きがなく立体感が出にくいので、撮影時は、蛍光灯のような天井から真下に降り注ぐライトは思い切って全部消しましょう。上から降り注ぐライトの光があると、寝転ぶ子どもたちの写真の印象が平べったくなるだけでなく、覗き込むパパやママが影になって、暗い写真になってしまう可能性もあるからです。
写真を撮る際は、晴れた日の日中を選び、蛍光灯を消して、時にはカーテンを開け放ち、たっぷり光が入る窓の近くで子どもたちと向き合うのがおすすめです。横から差し込む光は、顔の表情を立体的に見せ、躍動感が出ますよ。
スマホカメラは軽くて撮りやすいので、私が息子たちを俯瞰で撮る時は、カメラを起動した状態で息子たちの体を脚で挟み込み、時にはくすぐりながら撮影したりしています。
位置を変えたり、写るものを工夫したり。外出先でも俯瞰写真を
あるときには、私がソファーの上に上がり、フレームの中で息子たちが逆さまになるように寝転んでもらったり。また、寝転ぶ二人の体の向きが頭を中心に逆の位置になるようにしてもらうこともあります。
お子さんの位置や、カメラの位置を工夫するとまたひと味加わってきます。 お気に入りの布の上に子どもたちに寝転んでもらったり、おなじみのぬいぐるみを入れてもかわいいですね。
俯瞰撮り、たくさん試してみてくださいね。
今週の一枚
この写真は、次男を出産して、里帰りしていた時の長男二歳の写真で、 お昼寝がいやで、ぐずぐずとしていた時の一枚です。
今思えば少し赤ちゃんがえりをしていたのかもしれませんが、 産後すぐだったこともあり、この夏の長男の記憶がなんだか曖昧。 先日、俯瞰の写真を探しながら、改めてこの写真に出合い、 こんなにわかりやすく眉を寄せ、口を尖らせてお昼寝することへの不満を表していた長男の様子が愛おしく、そしてなんだかおかしくてふき出してしまいました。 タイムスリップして、小さな長男を思いっきり抱きしめたい気持ちになりました。
それではまた。
なりたゆかり/カメラマン。1980年生まれ。秋田県出身。大学在学中に写真にめざめ、夜間の写真学校に通い学ぶ。その後六本木スタジオ勤務を経て、回里純子氏に師事、2008年に独立。小学3年と1年の息子二人の母。主に雑誌の撮影で幅広く活動中。
Instagram @naritayukari_p