『ぼんちゃんのぼんやすみ』【今日の絵本だより 第68回】
2019年8月12日

『ぼんちゃんのぼんやすみ』【今日の絵本だより 第68回】

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kodomoe本誌連載の「季節の絵本ノート」では、毎回2か月分のおすすめ絵本を15冊、ぎゅぎゅっとコンパクトにご紹介しています。
こちらのweb版では毎週、ちょうど今読むのにいいタイミングの絵本をおすすめしていきます。おやすみ前や週末に、親子で一緒にこんな絵本はいかがですか。

『ぼんちゃんのぼんやすみ』【今日の絵本だより 第68回】の画像1『ぼんちゃんのぼんやすみ』
あおきひろえ/作 講談社 本体1500円+税

8月も中盤、お盆の季節ですね。
ちょうど帰省先の故郷で、家族みんなでお過ごしの方も多いでしょうか。
日本全国、夏のメインイベントであるお盆。
でも、子どもに「おぼんってなあに?」と聞かれても、なかなかうまく説明できないですよね。
『ぼんちゃんのぼんやすみ』は、そんなときにちょうどぴったりの絵本です。

ぼんちゃんとお父さんとお母さんは、盆休みにおばあちゃんの家へ里帰りしました。
おうちに着いたら、お仏壇にお線香をあげて、みんなで仏様を拝みます。
それからぼんちゃんとおばあちゃんは、なすで「おしょろさま」を作りました。
迎え火をたいて、晩ごはんをおそなえしたら、その晩、おしょろさまに乗ってご先祖様が帰って来ました。
4人のご先祖様は、部屋の中でのんびりくつろいでいたり、ちょっとふざけてみたり。
ぼんちゃんと同じ年頃の女の子もいます。
大人たちには見えていないのかもしれないけど、ぼんちゃんは女の子と仲よく遊んでいますよ。

数日が過ぎて、今度はもうご先祖様を見送る日。
送り火をたいて、ぼんちゃんとおばあちゃんはおしょろさまを海に流しに行きます。
「また らいねん、かえって きとくれんね」
おばあちゃんが目を閉じ、手を合わせます。

お盆は、難しいものでも堅苦しいものでもなく、旅立った人も、今ここに生きている人も、みんなが故郷に集まる時間。
あおきひろえさんの明るく軽やかな絵で、そのことがすとんと腑に落ちます。
子どもの内にこの絵本に出会うと、きっとお盆という行事が、幸せなイメージで満たされることでしょう。

『ぼんちゃんのぼんやすみ』は、「季節と行事のよみきかせ絵本」シリーズ全11巻の内の1冊。
田植え、七夕、お盆、年越しといった和の行事に、ハロウィーンやクリスマスなどのテーマもあって、季節に合った絵本を選んで読みたい方には、とてもお役立ちのラインナップです。

 

選書・文 原陽子さん
はらようこ/フリー編集者、JPIC読書アドバイザー。kodomoeでは連載「季節の絵本ノート」をはじめ主に絵本関連の記事を、MOEでは絵本作家インタビューなどを担当。3児の母。

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